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★ 私のクラシック音楽館 (MCM) ★ 蔵 志津久

クラシック音楽研究者 蔵 志津久によるCD/DVDの名曲・名盤の紹介および最新コンサート情報/新刊書のブログ

◇クラシック音楽◇メニューインのシューベルト:幻想曲

2007-08-07 20:44:31 | 室内楽曲(ヴァイオリン)

シューベルト:幻想曲 D934

ヴァイオリン:ユーディ・メニューイン   

ピアノ:ルイス・ケントナー

CD:東芝EMI TOCE6915  

 このシューベルトのピアノとバイオリンによる幻想曲は、起伏のある曲想に加え、瞑想的な思考が凝縮されたバイオリン曲の傑作だ。同時にピアノの役割は重要で、単なるバイリンソナタとは少々異質な趣がある。名手メニューインはこの傑作にふさわしい印象に残る演奏をしている。スケールを大きく取ると同時に、必要以上に幻想的にはせず、明確な確信に満ちた、どちらかと言えば健康的な幻想曲に仕上げている。この結果、聴き終わったあとの印象は快いものとなる。(蔵 志津久)

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◇クラシック音楽◇ズスケのモーツアルト:バイリンソナタ全集

2007-06-28 21:07:23 | 室内楽曲(ヴァイオリン)
モーツアルト:バイオリンソナタ全曲

演奏:バイオリン=カール・ズスケ
ピアノ=ヴァルター・オルベルツ

CD:DENON CDー3468-72

 モーツアルトのバイオリンソナタは、いつ聴いても次から次に曲想がわいてきて、止まらないという感じを受ける。こんなに純粋に、音楽の持つ楽しさだけで聴き通すことができるの曲は以外に少ない。バロック音楽は宗教的な背景が常にあるし、ロマン派の音楽はすべてといっていいほど、何かの物語がくっ付いてくる。現代曲でも現代人が抱える虚無感などを抜きに聴けない。つまり音楽以外の何らかのものが背景にはある。ところがモーツアルトのバイオリンソナタだけはそんな音楽以外のものを考える必要なんかなんにもない。音楽はそれ自体がよければいいじゃない、とモーツアルトは言いたいのだと思う。モーツアルトのバイオリンソナタは昔からバイオリンの名手が演奏してきており、CDの種類も多い。今回のこのCDで演奏しているズスケは実に安定していて、しかも歌うように演奏され、数あるCDの中でも傑出したCDとして推薦できる。(蔵 志津久)

http://www.simc.jp/former/jury/suske.html
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◇クラシック音楽◇ジョコンダ・デ・ヴィトーのブラームス・バイオリンソナタ集

2007-05-19 23:19:54 | 室内楽曲(ヴァイオリン)
ブラームス:バイオリンソナタ第1~3番

バイオリン:ジョコンダ・デ・ヴィトー

ピアノ:エドウイン・フィッシャー

CD:EMI SBT 1024

 室内楽曲は大きなコンサートホールで聴くより、小さなコンサートホールの方がいい。もっといいのが自宅のオーディオルームであろう。これに最も当てはまるのがモーツアルトとブラームスの室内楽曲だ。特にブラームスのバイリンソナタはこんな環境にぴったりと合う。季節も春から初夏、あるいは晩秋の夕暮れ前なんていう時刻は、正に打ってつけだ。ブラームスのバイオリンソナタは、最もブラームスらしさがいっぱい詰まった曲だ。何か森の中に迷い込んだような、幻想的な雰囲気に酔いしれる。バイリンのジョコンダ・デ・ヴィトーは、ブラームスの曲の中でもブラームスさが色濃く反映されたバイオリンソナタを、燻し銀のように、深く、しっとりと謳いあげる。なかなかこのように曲の内面から演奏した例をあまり知らない。ピアノ伴奏のエドウイン・フィッシャーとの息もぴったりで、より演奏の奥行きを広げている。(蔵 志津久)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%88%E3%83%BC
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