臨床試験(治験)に先立ち、開発中の薬をごくわずか飲み、人体での効果や副作用を予測する技術の確立に向けた検証が、3カ年の計画でスタートした。人体への負担が少ないうえ、成功しそうにない治験は避けられ、1千億円ともいわれる新薬開発費を圧縮できる可能性がある。
「マイクロドーズ試験」と呼ばれる。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託で、東京大学や医薬品開発支援機構、製薬メーカーなどによるグループが実施する。
すでに承認された約20種の薬で、服用量の100分の1以下を飲んでもらい、放射性同位体や陽電子放射断層撮影(PET)などを用いて、体内での吸収や分布、代謝などを調べる。これで実際の効果や副作用をどの程度、予測できるかを検証する。
厚生労働省は昨年6月、マイクロドーズ試験の実施にあたって、被験者へのインフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)など、手続きや届け出のガイダンスを作製した。杉山雄一・東大薬学系研究科教授は「(マイクロドーズ試験の導入で)治験の成功確率を3割程度まで上げられれば新薬開発にとって飛躍的進歩になる」と話す。(行方史郎)
[朝日新聞 2009年01月26日]
http://www.asahi.com/health/news/TKY200901250201.html
「マイクロドーズ試験」と呼ばれる。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託で、東京大学や医薬品開発支援機構、製薬メーカーなどによるグループが実施する。
すでに承認された約20種の薬で、服用量の100分の1以下を飲んでもらい、放射性同位体や陽電子放射断層撮影(PET)などを用いて、体内での吸収や分布、代謝などを調べる。これで実際の効果や副作用をどの程度、予測できるかを検証する。
厚生労働省は昨年6月、マイクロドーズ試験の実施にあたって、被験者へのインフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)など、手続きや届け出のガイダンスを作製した。杉山雄一・東大薬学系研究科教授は「(マイクロドーズ試験の導入で)治験の成功確率を3割程度まで上げられれば新薬開発にとって飛躍的進歩になる」と話す。(行方史郎)
[朝日新聞 2009年01月26日]
http://www.asahi.com/health/news/TKY200901250201.html