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ウミケムシの毒物質合成に成功 新しい抗炎症剤開発へ=慶応大学、名古屋大学

2009年03月31日 | 創薬
 素手で触ると炎症を引き起こす生物「ウミケムシ」の持つ毒の正体を突き止め、その毒物質を人工合成することに慶応大と名古屋大のチームが成功した。二十七-三十日に千葉県船橋市で開かれた日本化学会で発表した。新しい抗炎症剤の開発につながる可能性があるという。

 ウミケムシは体長一〇センチ前後の多毛類。比較的暖かい海を好み、日本では本州から沖縄の干潟などに生息する。体の側面に「剛毛」と呼ばれるとげがあり、触れるとかゆみを伴う炎症が起こる。炎症は数日続き、漁師や釣り人にとっては「嫌われ者」の海の生き物として知られる。

 炎症は毒物質によって引き起こされているとみられていたが、これまで特定されていなかった。チームは、沖縄県の泡瀬干潟でウミケムシの一種「ハナオレウミケムシ」を採集。アルコールで抽出した水溶性成分中の化合物をマウスの足の裏に注射して腫れ具合を観察するという手法を用いて、毒物質を探した。

 その結果、炭素が鎖状につながった構造の神経伝達物質「ガンマアミノ酪酸」を分子内に持つ有機化合物が毒物質と判明。ハナオレウミケムシの学名にちなんで「コンプラニン」と命名した。

 コンプラニンは、炎症を起こす際に重要な役割を果たしている酵素「プロテインキナーゼC」を活性化させていることが分かった。毒性はマウスなどを死なせるほど強くなく、有毒植物のアセビの百分の一程度だった。

 チームは、人工的に化学合成することにも成功。生物から抽出する必要がなくなり、合成物質で実験できるようになることから、物質の性質の解明が一層進むと期待される。

 慶応大の上村大輔教授は「炎症が起こる詳しい仕組みを今後さらに明らかにし、新しいタイプの抗炎症剤に応用する道を探りたい」と話している。

[東京新聞 2009年03月31日]
http://www.tokyo-np.co.jp/article/technology/science/CK2009033102000145.html

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