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再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

抗プリオン物質開発、国際学会賞=岐阜大学

2008年10月17日 | 創薬
 岐阜市柳戸、岐阜大学人獣感染防御研究センターの桑田一夫センター長(52)は、ヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病の原因となる感染性タンパク質の1種「プリオン」の生成を抑える抗プリオン物質を、世界で初めて開発した功績で、化学療法に貢献した研究者に贈られるマジック・バレット(日本語で、魔法の弾丸)賞を受賞した。日本人の受賞は、桑田さん1人。

 この賞は、化学療法を創始し、1908年にノーベル賞を受賞したドイツの細菌学者ポール・エーリッヒを記念した学会「ポール・エーリッヒ・ノーベル賞受賞100周年記念国際学会」が行う。今年はドイツのニュルンベルクで3―5日に開かれ、感染症などの治療薬を開発する研究者が、世界84カ国から約2000人が参加した。

 プリオンは、正常な体内に存在しているタンパク質。ヒトでは大脳皮質に多くみられるが、機能はまだ分かっていない。このプリオンが、何らかの拍子に異常な形になったものが病原体。異常なプリオンが外部から体内へ入り込むと、生体内の正常なプリオンをどんどん異常化し、神経細胞が侵される。

 桑田さんは昨年、正常なプリオンがどのように異常化するかの構造変化を部分的に解明。正常型プリオンが異常型に変化するのを食い止める抗プリオン物質「低分子有機化合物(GN8)」を開発した。今後、5―10年かけて副作用などの安全性が確認されれば、ヒトのプリオン病の治療薬開発につながると期待されている。桑田さんは「日本は創薬については世界に後れを取っている。岐阜大は岐阜薬科大と提携し、創薬部門を強化していこうとしているだけに、今回の受賞は非常に意義があると思う」と喜びを語った。

[岐阜新聞Web 2008年10月17日]
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20081017/200810170855_6138.shtml


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