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ダチョウの卵で抗体、ウイルス撃破、ベンチャー設立=京都府立大学

2008年07月03日 | 創薬
 京都府立大生命環境科学研究科の塚本康浩教授が2日までに、ダチョウの卵黄からウイルス感染を防ぐ抗体を作るベンチャー企業「オーストリッチファーマ」(京都府精華町・けいはんなプラザ)を設立した。大流行の発生が懸念されている鳥インフルエンザウイルスの感染を防御するマスクの販売を年内に始めるとともに、感染症やがんなどのワクチンや治療薬開発も進める。

 抗体は、ウイルスなどの外敵(抗原)から守るために体内で作られ、抗原と結合して不活性化する。

 塚本教授は、人に極めて近い抗体を雌のダチョウで作り、卵黄から精製する世界初の技術を開発した。従来のマウスやウサギと比べ、質のよい抗体を安価に大量生産できる。この技術で、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)の感染力を奪う抗体を作製した。マスクに抗体を染み込ませた実験で、ウイルス感染を完全に防ぐことができた。

 ファーマは、兵庫県内の契約牧場でダチョウを飼育しており、近く抗体の本格生産を始める。病院で使用するマスクや空調フィルターなどを生産、秋をめどに販売を開始する。さらに、他の感染症やがんなどの抗体の開発、検査キットや治療薬への応用も進める。

 塚本教授は「インフルエンザの感染を抑えたデータは世界で初めて。1カ月ほどで抗体開発はできるので、新型ウイルスにも対応できる」と話している。

[京都新聞 2008年07月03日]
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008070300033&genre=G1&area=K00


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