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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
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「アトピー」のかゆみ抑制するたんぱく質発見=横浜市立大学

2008年07月18日 | 免疫
 横浜市立大学医学部の五嶋良郎教授や池沢善郎教授らの研究チームは、アトピー性皮膚炎のかゆみを抑える効果のあるたんぱく質を見つけた。マウスの実験で、アレルギー反応にかかわる炎症細胞や皮膚の神経の量が減ってかゆみが抑えられるのを確認した。治療薬への可能性を探る。
 神経細胞の成長を妨げる働きをする体内のたんぱく質「セマフォリン3A」に注目した。アトピー性皮膚炎のモデル動物であるマウスの皮膚に投与すると、皮膚炎が改善し、皮膚をひっかく回数が減った

[NIKKEI NET/日経産業新聞 2008年07月18日]
http://health.nikkei.co.jp/news/top/index.cfm?i=2008071708214h1



【かゆみ抑制物質:横浜市立大の研究グループが発見 アトピー治療薬に期待】

 アトピー性皮膚炎などの皮膚のかゆみを抑えるたんぱく質を、横浜市立大の五嶋良郎教授と池沢善郎教授らの研究グループが、マウスの実験で突き止めた。このたんぱく質には、かゆみを悪化させる神経細胞の過度な成長を抑える働きがあり、治りにくい皮膚のかゆみを改善する治療薬につながると期待される。国際皮膚科専門誌「ジャーナル・オブ・インベスティゲーティブ・デルマトロジー」に掲載された。

 ヒトがかゆみを感じてひっかくと、その刺激によって神経細胞の成長が促進され、かゆみに過敏になる。これをさらにひっかくと、神経が一層増える悪循環に陥り、アトピー性皮膚炎などの慢性化につながるという。

 研究グループは、神経の成長を妨げる「セマフォリン3A」というたんぱく質に着目。アトピー性皮膚炎のモデルマウスに、このたんぱく質を皮下注射すると、投与していないマウスに比べ皮膚炎が改善し、患部をひっかく回数が減った。

 投与していないマウスの神経細胞は表皮まで入り込んでいたが、投与したマウスは神経の伸びが少なかった。このたんぱく質はヒトの表皮からも分泌され、アトピー性皮膚炎の患者は分泌が少ないことが知られている。

 五嶋教授は「このたんぱく質を塗ることで補い、かゆみを抑えられる可能性がある。ただ、このたんぱく質は構造的に不安定なため、今後、安定して大量生産できるかが課題になる」と話す。【下桐実雅子】

[毎日新聞 2008年07月22日]
http://www.mainichi.jp/select/science/news/20080722dde041040025000c.html


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