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「動かせて痛みなし」新麻酔薬の可能性=ハーバード大学

2007年10月04日 | 創薬
 手術した部分をすぐに動かせて、痛みは感じない――そんな新しいタイプの麻酔薬の開発につながる局所麻酔の方法を、米ハーバード大などのグループが見つけた。4日付英科学誌ネイチャーに発表する。

 現在の局所麻酔は痛みを感じる神経だけでなく、運動神経などすべての神経の働きを抑えてしまう。体を動かしたり温度を感じたりできないのが難点だった。

 グループは、痛みを感じる神経細胞の多くに、唐辛子の主成分「カプサイシン」を受け止めるたんぱく質があることに注目。このたんぱく質にカプサイシンがくっつくと、細胞膜に穴をあけたような構造になる。グループは、この穴を通して細胞に入り込み、神経細胞の興奮を抑えることができる分子を見つけた。

 ラットの足に、カプサイシンとこの分子を注射すると、痛みを感じなくなったが、運動神経は正常で足を動かし続けることができた。

 生理学研究所の富永真琴教授は「臨床応用は今後の課題だが、まったく新しい選択的な局所麻酔薬をつくる可能性を開く成果だ」と話している。

[朝日新聞 / 2007年10月04日]
http://www.asahi.com/science/update/1003/TKY200710030347.html


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