ブロッコリーなどの野菜に含まれるがん予防成分を作るのに欠かせない遺伝子を、理化学研究所などの研究グループが発見した。この成分を増やした野菜や錠剤の開発につながるという。9日付の米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載された。
ブロッコリー、キャベツ、大根などアブラナ科の野菜には、アミノ酸から作られる「グルコシノレート」と呼ばれる成分が含まれ、かむことで野菜の細胞内の分解酵素と混じりあい、辛み成分に変化する。この辛み成分は発がん物質の解毒を促進する作用があり、アブラナ科の野菜にがん予防効果があることが知られているが、辛み成分の基になるグルコシノレートがどのようにできるか解明されていなかった。
研究グループは、グルコシノレートの合成にかかわる遺伝子を探すため、アブラナ科の仲間で遺伝情報の解読が完了しているシロイヌナズナの約2万7000個の遺伝子を解析し、「PMG1」という遺伝子を見つけた。シロイヌナズナの遺伝子を操作してPMG1の働きを抑えたところ、グルコシノレートの量が最大で400分の1程度に減少した。また、シロイヌナズナの培養細胞でPMG1の働きを強めると、グルコシノレートが蓄積することも分かり、PMG1がグルコシノレート合成に欠かせないと結論づけた。
理研の平井優美リーダーは「今回解明したグルコシノレート合成の仕組みは他のアブラナ科植物にも広くあてはまる可能性が高い。PMG1を使ってグルコシノレートの量を増やしたがん予防効果の高い食品開発にもつながる」と話している。【下桐実雅子】
[毎日新聞 / 2007年4月10日]
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070410k0000m040162000c.html
理研 プレスリリース
「がん予防成分をアブラナ科野菜に作らせる新規遺伝子を発見
- 健康機能性の高い野菜の開発に新たな道 - 」
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2007/070410/index.html
ブロッコリー、キャベツ、大根などアブラナ科の野菜には、アミノ酸から作られる「グルコシノレート」と呼ばれる成分が含まれ、かむことで野菜の細胞内の分解酵素と混じりあい、辛み成分に変化する。この辛み成分は発がん物質の解毒を促進する作用があり、アブラナ科の野菜にがん予防効果があることが知られているが、辛み成分の基になるグルコシノレートがどのようにできるか解明されていなかった。
研究グループは、グルコシノレートの合成にかかわる遺伝子を探すため、アブラナ科の仲間で遺伝情報の解読が完了しているシロイヌナズナの約2万7000個の遺伝子を解析し、「PMG1」という遺伝子を見つけた。シロイヌナズナの遺伝子を操作してPMG1の働きを抑えたところ、グルコシノレートの量が最大で400分の1程度に減少した。また、シロイヌナズナの培養細胞でPMG1の働きを強めると、グルコシノレートが蓄積することも分かり、PMG1がグルコシノレート合成に欠かせないと結論づけた。
理研の平井優美リーダーは「今回解明したグルコシノレート合成の仕組みは他のアブラナ科植物にも広くあてはまる可能性が高い。PMG1を使ってグルコシノレートの量を増やしたがん予防効果の高い食品開発にもつながる」と話している。【下桐実雅子】
[毎日新聞 / 2007年4月10日]
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070410k0000m040162000c.html
理研 プレスリリース
「がん予防成分をアブラナ科野菜に作らせる新規遺伝子を発見
- 健康機能性の高い野菜の開発に新たな道 - 」
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2007/070410/index.html