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ワサビが脳細胞の再生促進=名古屋市立大学

2008年12月18日 | 食品・栄養
 ワサビの辛み成分が脳の神経細胞の再生を促し、記憶力や学習能力を改善させる。こんな効果を名古屋市立大大学院医学研究科の岡嶋研二教授と原田直明准教授が、マウスを使った実験で突き止めた。人の認知症予防につながると期待される。

 岡嶋教授らはこれまで、人の胃や腸の知覚神経がトウガラシの辛みや熱さ、痛みの刺激を受けると、全身の細胞の増殖を促進するタンパク質「インスリン様成長因子-1(IGF-1)」が多く作られ、認知機能が改善されることを解明していた。

 今回は、ワサビでも同じメカニズムが働くかどうかを調べた。

 実験は、ワサビの辛み成分「6MSからし油」をマウスのえさに混ぜ、4週間食べさせた。記憶や学習機能にかかわる脳の海馬でIGF-1の濃度を調べたところ、濃度が2-2・5倍に増加。増殖した海馬の細胞数も、通常の2-3倍に増えていた。

 水を張ったプールでマウスを泳がせて浅瀬を見つけるまでの時間を比べ、ワサビを与えたマウスは初日の80秒が、5日目で30秒に短縮。

 与えていないマウスは5日目でも60秒かかり、浅瀬の場所を覚える能力の向上が見られた。

 一度に大量のワサビを食べると体調を崩すこともあるが、岡嶋教授は「計算では、人間も1日にワサビ12・5グラム(刺し身に添える時の5人分)を食べれば、同程度の効果が出るはず。脳だけでなく全身で細胞の再生が促進され、認知症予防以外にも、血管拡張や骨密度強化など多彩な効能がある」と話している。

[中日新聞 2008年12月18日]
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008121802000062.html


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