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妊娠中の軽いストレス→子供の学習能力向上=山口大学、山口労災病院ら

2008年11月16日 | ラット
 妊娠中の母体が軽いストレスを感じると、生まれた子供の学習能力が向上することを、山口大大学院医学系研究科の中村彰治教授(神経科学)と山口労災病院産婦人科の富士岡隆医師らの研究グループが動物実験で突き止めた。

 過度なストレスは胎児には悪影響だが、軽いストレスなら、感じた時に分泌されるホルモンが胎児の脳の発達を促すとみられる。中村教授らは「人間の赤ちゃんにも当てはまる可能性がある」としている。

 研究グループは、妊娠後期にあたる15~17日目のラットを3日間、金網状の筒で身動きできる程度に拘束し、ストレスを与えた。

 その後、胎児の脳を比較。記憶や空間認知をつかさどる海馬の神経細胞を調べたところ、1日30分間だけ拘束したラットの胎児は、他の神経細胞から情報を受け取る樹状突起が通常より大幅に発達していた。

 一方、4時間拘束したラットの胎児は、逆に樹状突起の成長具合が通常よりも低下していた。

 さらに、生まれたラットの学習能力を調査。音と光で合図して床に電流を流した時に別の部屋に逃げる割合を調べたところ、通常のラットが40~50%だったのに対し、30分間拘束した母親から生まれたラットは70~80%だった。迷路で迷わずに餌を探し出す能力も後者の方が高かった。

 研究グループは、ストレスから体の機能を守るために分泌される副腎皮質ホルモンが胎盤を通じて胎児の脳に届き、神経細胞の遺伝子に影響を与えて発達を促す、と推測している。

 妊娠中に適度なエアロビクスを続けた女性の子供の知能指数は、通常より高くなったという米国の研究報告もある。

[読売新聞 2008年11月16日]
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20081116-OYS1T00339.htm


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