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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

子宮筋肉に「幹細胞」、筋腫発症の解明に期待=慶応大学

2007年11月06日 | 再生医療
 人間の子宮の筋肉組織に、高い増殖能力を持ち、筋肉や脂肪などの細胞に成長できる「幹細胞」が存在することが、慶応大の岡野栄之(ひでゆき)教授(生理学)らの研究でわかった。子宮筋腫(きんしゅ)などの病気発症の解明につながる成果で、米科学アカデミー紀要(電子版)に近く掲載される。

 女性が妊娠すると、胎児をはぐくむ子宮は通常の20倍以上の重さまで増大する。また、子宮の中に筋肉の塊ができる子宮筋腫は、単一細胞が増大してできると考えられてきた。だが、これらの詳しい仕組みはわかっていなかった。

 研究チームは、手術で摘出した63人分の子宮筋組織から特殊な方法を使い、幹細胞の性質を持つ細胞を収集。この細胞をマウスの子宮に移植し、妊娠させたところ、人の細胞で構成された子宮筋組織が作られた。妊娠・出産に重要なホルモンと結合するたんぱく質もできていた。

 この細胞は脂肪細胞や骨細胞にも変化でき、幹細胞であることが確認された。研究チームの丸山哲夫・同大講師(産婦人科)は「子宮の一部を失った人に、この細胞を移植して再生する医療に結びつく可能性がある」と話している。

[読売新聞 / 2007年11月06日]
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20071106i406.htm



【ヒトの子宮筋幹細胞を確認 慶大グループ】

 子宮の細胞は妊娠すると増えたり大きくなったりするが、そのおおもとになる子宮筋幹細胞を、ヒトの子宮筋組織から見つけることに慶応大グループが成功、今週の米国科学アカデミー紀要電子版に発表する。幹細胞は子宮筋腫の発生にかかわっている可能性があり、子宮筋腫の仕組み解明や治療に道が開けそうだ。

 グループは同意を得て採取したヒトの子宮筋組織の細胞から、活動していない細胞群を選び出し、個別の細胞に分化していない幹細胞の集まりであることを確認、培養にも成功した。

 この細胞群から得た細胞を免疫不全マウスの子宮に移植したら、ヒト由来の子宮筋ができた。妊娠後は分娩(ぶんべん)に必要なヒト由来のたんぱく質も発現した。多分化能を確認したほか、子宮筋腫でみられる子宮筋細胞が骨や脂肪の細胞に変わる様子も確認できた。幹細胞が子宮筋腫の発生に関係する可能性もうかがえた。

 同グループの丸山哲夫講師(生殖内分泌学)は「将来、子宮頸(けい)がんの手術で切除した部分の再生など治療法の開発につなげたい」と話す。

[朝日新聞 / 2007年11月06日]
http://www.asahi.com/science/update/1106/TKY200711060044.html


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