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抗がん剤大量生産に期待、有機化合物生成の遺伝子発見=山形大学

2007年02月22日 | 癌、腫瘍
 山形大農学部の豊増知伸助教授(40)らの研究グループが、高機能な抗がん剤開発への活用が期待される有機化合物「フシコクシン」を生成する遺伝子を発見した。フシコクシンは、抗がん作用があるとされる別の有機化合物「コチレニン」と構造が類似しており、フシコクシンを基にして新たな抗がん剤を大量に生産できる可能性があるという。

 研究成果は、総合学術雑誌「米国科学アカデミー紀要」の19日付電子版に掲載された。山形大の研究者が筆頭筆者となった論文が、同誌に掲載されるのは初めて。

 豊増助教授によると、モモ枝折れ病を引き起こすカビから、フシコクシンをつくる酵素の遺伝子を見つけ、採取に成功した。この遺伝子は、違うタイプの酵素機能を併せ持つ連結した遺伝子であることが分かり、さらに他のカビにも存在する菌類特有の珍しい遺伝子だったことも新たに発見された。

 フシコクシンと構造が似ているコチレニンは、白血病などの治療に効果があることが明らかになっているが、生成には化学合成が必要。豊増助教授らの発見を突破口に、フシコクシンの構造を決める遺伝子や酵素などの解明がさらに進めば、化学薬品を使わずにコチレニンを生成することが可能になるという。

 共同研究者で元農学部長の佐々武史同大名誉教授とともに、山形大で記者会見した豊増助教授は「新たな抗がん剤を作る入り口を見つけた。生物の自然な仕組みを利用するため、より安全で安く抗がん剤を作ることが可能になる」と、研究の成果を話した。

 豊増助教授は生化学、分子生物学が専門。1995年に山大農学部助手に採用され、98年から助教授。

[庄内日報ニュース / 2007年2月22日]
http://www.shonai-nippo.co.jp/cgi/0/ad_vw.cgi?p=dy:2007:2:22


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