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再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

先天性腎性尿崩(にょうほう)症の遺伝子治療、基礎技術を開発=名古屋大学

2008年11月09日 | 医療技術
 多尿に苦しむ難治性の病気「先天性腎性尿崩(にょうほう)症」を遺伝子治療で抑える基礎技術の開発に、名古屋大の大磯ユタカ教授(糖尿病・内分泌内科学)らの研究グループが成功した。動物実験の段階だが、今後の治療に道を開くと期待されている。

 先天性腎性尿崩症は腎臓の遺伝子の異常によって利尿作用を調整するホルモンが効かないために発症。腎臓が水分を再吸収できなくなり、1日に10リットル以上の尿が出る。

 患者数は国内で約1000人いるとみられ、多尿による脱水症状で命の危険もある。薬物治療や塩分制限などの対処法しかなく、効果も薄い。

 グループは無害化したウイルスに正常な遺伝子を組み込み、人為的に尿崩症にしたマウスの尿管から腎臓に向けて注入。遺伝子が水分調整の役割を持つ腎集合尿細管で正常に働き、尿量を最大40%減らした。腎臓の中心部付近にまで遺伝子を投入し、効果を確認できたのは世界で初めてという。

 効果が得られたのは約1週間だけだったが、より持続的な治療法の開発を目指す。研究を主導した長崎弘講師(44)は「治療法がないと考えられていた疾患に、遺伝子治療の道筋ができた。他の腎集合尿細管の遺伝性疾患にも応用でき、意義が大きい」と話している。

[中日新聞 2008年11月09日]
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008110902000061.html


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