ラットは今日も、きみのために。

マウスも研究者も頑張っています。
医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

乳がん転移促すたんぱく質特定=大阪バイオサイエンス研究所

2007年12月17日 | 創薬
 乳がんの転移を促すたんぱく質を、大阪バイオサイエンス研究所の佐邊寿孝(さべ・ひさたか)研究部長らのグループが新たに特定した。佐邊さんらは06年にも、乳がんの転移を促す別のたんぱく質を特定し、発表している。いずれも副作用がより少ない治療薬の開発につながるという。16日付の英科学誌ネイチャー・セル・バイオロジー(電子版)に掲載される。

 乳腺で増殖した乳がん細胞は、悪性化すると乳腺の壁を壊して浸潤し、血管やリンパ管を通って肺など全身に転移するとされる。

 佐邊さんらが悪性の乳がん細胞を調べたところ、正常な細胞ではほとんどないGEP100というたんぱく質が増えていることが分かった。

 シャーレで培養した悪性の乳がん細胞で、GEP100の生成を抑制し、顕微鏡で観察したところ、通常に比べて浸潤能力が低下した。また、GEP100ができないようにした悪性乳がん細胞とGEP100をもつがん細胞を別々のマウスに注入したところ、どちらも増殖したが、生成を抑えた細胞は肺への転移があまりみられなかった。

 佐邊さんは「これらのたんぱく質は、大人ではがん細胞の浸潤や転移のみにかかわっているとみられる。そのため、このたんぱく質の働きを抑える薬は、体内の他の働きを阻害することがなく、副作用が出にくいと考えられる」と話している。

[朝日新聞 / 2007年12月17日]
http://www.asahi.com/science/update/1216/OSK200712160039.html


最新の画像もっと見る