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乳歯幹細胞:親イヌの歯槽骨再生に成功=名古屋大学

2008年03月07日 | 再生医療
 子イヌの乳歯から取り出した幹細胞で親イヌの歯の根元の骨を再生させることに、名古屋大などの研究チームが成功した。乳歯を利用したヒトの近親者間の骨の再生医療に道を開く成果として期待される。13日から名古屋市で開かれる日本再生医療学会で発表する。

 同大の上田実教授らは、生後約2週間の子イヌの乳歯から幹細胞を採取。培養して骨になる一歩手前まで分化させた。一方、この子イヌの親イヌ(生後2~2年半)の歯を抜き、その下の歯槽骨に10ミリの穴をあけ、分化した細胞を移植した。4週間後に骨の再生を確認、8週間後に穴はふさがり、ほぼ完全に元通りになった。中型犬の親子2組で実験していずれも成功した。

 免疫抑制剤は使わなかったが、拒絶反応は起きなかった。移植する際、親イヌの血小板を濃縮してゲル状にしたもので細胞をくるんでおり、研究チームは「親子であるうえ、親イヌ自身の血小板の働きによって免疫反応が抑制されたのではないか」と話している。

 マウスでは同様の成果が出ているが、大型動物での成功は初めて。歯槽膿漏(のうろう)の治療や骨の再生につなげたいという。同大では昨年12月、ヒトの「乳歯幹細胞研究バンク」を設立し、再生医療への応用を目指して研究を重ねている。【須田桃子】

[毎日新聞 / 2008年03月07日]
http://mainichi.jp/select/science/news/20080308k0000m040051000c.html


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