今日(11月17日・木)、日米共同統合演習の一環として、与那国空港に自衛隊機で16式機動戦闘車が運ばれ、公道を走った。県内では初めての自衛隊戦車の公道走行という。
沖縄県平和市民連絡会は今日、与那国の問題を含め、日米共同統合演習への県の対応について沖縄県交渉を行った。日米共同統合演習については、10月31日に続いて2回目の交渉である。
県は、溜知事公室基地対策統括官や呉屋港湾課長らが対応、平和市民連絡会からは高里鈴代共同代表をはじめ、7名が出席した。
11月7日に提出した要請事項は下記の3点である。
1.沖縄県は今回の日米共同統合演習について、沖縄を戦場にすることを想定しての演習とのことを踏まえて、開催しないことを要求すること。開始している場合は中止を要求すること
2.沖縄県は今回の演習で自衛隊が中城湾港や与那国空港等の県管理施設を使用・活用することについて、使用許可等の取消・撤回すること
3.今後、このような沖縄を戦場にすることを想定した演習には、断固反対し、一切の協力を行わないこと。
溜基地対策統括監は冒頭、次のように述べた。
「沖縄を二度と戦場にしてはならないということは、知事も、当然、同様の考えです。政府には、機会がある度に、平和的な外交に徹するようにと訴えています。---
県としては、日米安保体制の必要性は理解する立場です。専守防衛のための最低限度の自衛力は必要であると考えています。一方で、自衛隊の配備については我国の安全保障や地域の振興、住民生活への影響等をめぐって様々な意見があることも承知しています。かねてから沖縄の米軍基地の整理縮小、更なる基地の返還を求めているところに、自衛隊の増強が重なると県民が不安を抱くと考えています。県としては、自衛隊の配備、活動について、県民への影響を最小限にすると共に、よりいっそう丁寧に説明を行う必要があると考えています。
今回の日米共同統合演習においても、県内における演習の実施にあたっては県民への影響を最小限にすることをたびたび求めています。
特に与那国島において、16式機動戦闘車が公道を走行する訓練が計画されていることについては、再三にわたり、防衛局に対して、尖閣諸島をはじめ、南西諸島の緊張を高め、住民に不安を招致させる懸念があるということを伝え、再考を促しています。」
「県としては、自衛隊の活動については、一定程度、理解を示す立場です。」
「米軍については、公共施設利用の自粛を求めるということに変りはない。緊急やむを得ない場合以外は使用すべきではない」
その後の質疑応答の中では、多くの問題が明かになった。
特に今回は、米軍と自衛隊の共同訓練であり、自衛隊機が海兵隊員を運んだりしている。自衛隊と米軍はもう一体となっているのであり、「自衛隊の活動については理解する」、「米軍の使用は自粛を求める」というような立場はもう通用しない。
そもそもこの日米共同統合演習は、台湾有事の際に、沖縄の島々で米軍と自衛隊が一体となって地上戦を展開するためのものだ。訓練そのものが中国を刺激し、住民の命や生活を脅かすものでありことから、県は毅然と中止を求めるべきであろう。
最後に質問事項にはなかったが、下地島空港の航空自衛隊のブルーインパルス利用についても県の見解を求めた。この点については、「屋良覚書、西銘確認書があり、自衛隊の演習等で使うことを認めるのは難しい」と回答した。まさか許可することは考えられないが、この点についても注目していく必要がある。
(与那国島の公道を走る機動戦闘車 今日のNHK沖縄ニュースより)