中国は「安全問題」だらけ、国民が不安を抱く10の危険とは―中国メディア |
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配信日時:2014年8月10日 5時10分 |
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7日、中国共産党系雑誌「小康」はこのほど、「中国人が最も心配する10大安全問題」を発表した。資料写真。 |
2014年8月7日、中国メディア・トップニュース9によると、中国共産党系雑誌「小康」はこのほど、 |
「中国人が最も心配する10大安全問題」を発表した。 |
【そのほかの写真】 |
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1.食品の安全 |
ランキングトップはやはり食品の安全問題。77.8%の回答者がこの問題について危惧しており |
、5年連続で中国人の最も心配する問題となった。マクドナルドなどに食材提供していた上海福喜食品の |
期限切れ食肉問題や北京の焼き肉チェーン店・漢麗軒焼肉超市の食べ残し肉の使い回し事件、ネズミなどの |
肉を羊の油や香辛料に漬けて羊肉と偽って安く販売する業者が相次いで摘発された事件など、 |
食品の安全問題が頻発しており、国民の不安がさらに高まっている。 |
2.医療の安全 |
5年間のランキングで、「医療の安全」問題は常にトップ5以内に位置し、13年と14年は2年連続で2位に |
ランキングされた。回答者の50%以上が、自分の居住都市の病院で診てもらったり、治療を受けることに |
不安を抱いている。 |
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3.環境の安全 |
環境問題に対する人々の不安は日に日に高まっており、ランキングも昨年の4位から今年は3位へと上昇した。 |
PM2.5による大気汚染やがん村の存在など、環境汚染に関する報道が相次いだことが影響した。 |
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4.交通の安全 |
海外メディアが中国人の交通安全意識は低いと頻繁に報道したことも4位に |
ランキングされた原因かもしれない。飲酒運転は日常茶飯事であり、信号無視を |
する「中国式道路横断」も依然として改善されていない。 |
5.社会の治安 |
昨年に比べて2ランク上昇しており、今後も引き続き上昇する可能性が高い。 |
各地域の政府は治安の安定に向けての対策に大きな力を注いでいる。 |
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6.プライバシーの安全 |
インターネットの発展にともない、プライバシーの問題が目立って増加している。 |
無料アプリなどによる個人情報の漏洩も深刻だ。また、アップルのオペレー |
ティングシステム・iOSにユーザー監視用の「バックドア」が存在するとされ |
た問題も人々の不安をよりかき立てることになった。 |
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7.情報の安全 |
オンライン決済システム「支付宝」やクレジットカード、キャッシュカード情報 |
などの漏洩・盗難、企業情報や顧客情報の売買など、スマートフォンなどモバイル |
端末の利用によるネット決済の急増にともない、情報の安全に対する注目度が |
上がっている。 |
8.財産の安全 |
多くの人が現在最も心配しているのは、情報の漏洩が財産の損失を引き起こすことである。 |
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9.公共衛生の安全 |
今年初めに流行したH7N9型鳥インフルエンザが人々の公共衛生の安全問題に |
対する不安をかき立てた。最近ではエボラ熱に関する報道もその不安を増幅させている。 |
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10.校内の安全 |
ここ数年、校内での事件が多数発生しており、昨年に比べてランクが1つ上昇した。 |
校内でのセクハラや性関連事件が頻繁に暴露されたことも影響した。(翻訳・編集/HA |
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上海福喜・期限切れ肉事件以降も多発 中国で食の問題が後を絶たない理由 |
Wedge 8月6日(水)12時20分配信 |
7月20日、上海福喜食品が期限切れの肉を混入したチキンナゲットを出荷していた |
事実がメディアにより暴露された。きっかけは上海の衛星テレビ『東方衛視』の報道 |
番組であった。元従業員の内部告発を受けた『東方衛視』が2カ月間にも及ぶ潜入取材 |
を行った結果、同社の生産現場で信じられないモラルハザードが起きていたことが |
明らかになったのである。同テレビが暴き出した映像には、地面に落ちた肉を何の |
ためらいもなく機械の中に戻す従業員の様子や、表面が青く変色した肉を悪いと |
知りながら使い続けている実態などが映っていて、消費者に大きな衝撃を与えた。 |
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さらに上海福喜食品が、マクドナルドやケンタッキーフライドチキン、ピザハット |
といった世界的に名の通ったファーストフードチェーンやコンビニに製品を卸して |
いたことで、問題は国境を越えた広がりを見せていったのだった。 |
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日本でもマクドナルドとファミリーマートが同社との間に取引があったことを |
認めたため、メディアは連日この問題を大々的に報じることとなった。 |
中国の消費者にもある程度共有されている「罪の意識の薄さ」 |
日本のメディアからすれば、久しぶりに中国から届いた”呆れた食の実態”だった。 |
さらに日本人が中国に対して抱くイメージとも重なり、まるでお祭り騒ぎの様相となった。 |
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興味深いのは、こうした第一報がひと段落した後に出てきた分析記事であった。 |
その主な内容は、今回の騒ぎの裏にある当局の意図をさぐるもので、「報道は国 |
が裏で糸を引いていた」、「外資たたきのための仕掛け」、「国有企業であったら |
追及されていなかった」といった見立てであった。 |
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この考え方の裏側にあるのは、メディアは常に当局のコントロール下にあり、 |
メディアの動きには必ず当局の意図が隠れているという思い込みだ。半知半解の |
副作物と言わざるを得ない。 |
もっとも映像があまりにうまく撮れ過ぎていることや従業員のコメントがメディア |
の意図を汲んだように絶妙である点など気にならないわけではなかった。だが、 |
これまで無数にあるメディアの告発をきっかけに広がった食品汚染問題のパターン |
からすれば、これも決して珍しいことではない。 |
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例えば昨年、CCTVの潜入取材により河南省の養鶏場が違法な成長促進剤を使って |
いた問題が明らかになったケースでも、養鶏場のオーナーは、わざわざ記者に違法 |
薬物の効果の素晴らしさを嬉々として説明している映像が繰り返し報じられていた。 |
これは一つには感覚の違いに由来する問題かもしれない。つまりコメントしている |
従業員の側にも、それほど悪いことをしているという意識はないということだ。 |
上海福喜の問題が報じられて以降も中国のマクドナルドもケンタッキーフライド |
チキンも相変わらずの行列ができていたというから、この感覚はある程度消費者の |
側にも共有されているものなのかもしれないのだ。 |
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メディアが過敏に反応する食品問題では今回の上海福喜のケースでも見られた |
ようにたいてい当局の対応も迅速だ。それなのに一向に問題が無くならないのは |
、こうした感覚の共有が一つの理由として考えられるのではないだろうか。 |
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2007年に起きた毒ギョーザ事件――これは労使問題であり食品問題とは言 |
えないのだが――では、劇薬であるメタミドホスが混入した可能性があるとして |
大量のギョーザが廃棄されたはずなのだが、実際にはその大部分が再び市場に |
出回ったのである。つまり現在、今回問題になったナゲットを二束三文で売って |
くれと申し出ている業者が後を絶たないという状況であっても不思議ではない |
というのが中国の実態なのである。 |