障害のある大学生が増えていることを受け、文部科学省は、入試や授業などで大学側が配慮すべき点についてまとめた手引を作る。障害者が壁を感じずに生活できるような配慮を義務づけた障害者差別解消法が今月施行され、広がりつつある大学の取り組みを後押しするという。

 手引では、障害者それぞれに異なるニーズを把握して支援する方法を紹介する。学生や保護者からの相談窓口や、入学後の対応を検討する学内会議の設置なども盛り込まれる見通しだ。近く立ち上げる有識者の検討会で年内をめどにまとめ、大学や短大、高等専門学校に配る。

 日本学生支援機構の調査によると、障害のある大学生、短大生、高専生は1万4127人(2014年)で、06年の4937人の約3倍。特に、精神疾患や発達障害などは、計5866人で、06年の計506人の10倍以上に増えた。

 大学側はこれまでも、試験時間を延長して別室受験を許可したり、授業に支援員が付き添ったりするなど支援に取り組んできた。ただ、入試要項やホームページで障害がある人への配慮を記載していない大学などは14年度で約25%に上った。文科省は大学に、より多くの障害者を受け入れる余地があるとみている。