<高校入試直前コラム2>睡眠だけはしっかりと 「休むのも練習のうち」ならば「寝るのも勉強のうち」
1/29(月) 10:31配信
受験生の間で「昨日、何時間勉強した?」が話題になることはあっても、「昨日、何時間寝た?」が話題になることはあまりないでしょう。
よくスポーツの世界では「休むのも練習のうち」という言い方をします。適度に休養をとらないと怪我も多くなるし、練習への意欲も低下します。これでは何時間練習しても上達しません。ですから、これから数週間、「寝るのも勉強のうち」と決めて、睡眠だけはしっかりとるように心がけましょう。
最近、睡眠負債ということが言われるようになりました。負債とは借金のことです。睡眠不足が借金のように積み重なって行くと、命にかかわる病気になったり、日々の生活の質をどんどん下げて行くことになります。
1日や2日の睡眠不足ならどうということはありません。すぐに負債は返せます。しかし、これから毎日、少しずつ少しずつ負債を増やして行くのが一番危険なのです。本番当日、最大の負債をかかえて試験に臨むとしたら恐ろしいことです。
個人差はありますが、中学生に必要な睡眠時間は1日8時間くらいでしょう。勉強時間を増やすためにこれを削るのは、前述のようにマイナスの方が大きいのです。
では何を削って勉強時間を増やすか。テレビ、ゲーム、スマホ、あるいは友達との長時間のおしゃべり(女子に多い)。これしかありません。これらを少しぐらい削っても体調を崩す心配はありません。気分転換も大事ですが、ほどほどにして勉強時間を生み出しましょう。
睡眠と記憶については、多くの科学者が研究をしてきましたが、どうやら、睡眠には記憶を強化する働きがあるようです。昼間覚えたことは、夜寝ている間に定着するということです。そう言えば、「暗記ものは夜寝る前がいい」というのは、昔から受験の世界ではよく言われていることです。
寝ている間、脳は完全に休んでいると思いきや、実はその間にも、ちゃんと記憶の定着という作業をやってくれているんですね。頼んでもいないのに立派ですね。
だから、やっぱり睡眠はしっかり取りましょう。
教育ジャーナリスト。元埼玉県公立高校教諭。広告会社・出版社勤務を経て、平成10年、株式会社メディアバンクスを設立。中学校・高校の募集・広報コンサルティング、入試関連イベント・同テレビ番組の企画、進学情報誌の編集発行などに携わる。昭和26年(1951年)、浦和市(現さいたま市)生まれ。埼玉県立浦和高等学校・上智大学卒業。
= 埼玉新聞WEB版 =
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