西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

鏡獅子―29

2009-05-24 | 曲目 (c)yuri saionji
枕獅子―8

そして、「夫妻獅子」から菊之丞気に入りの箇所を持ってきた。
言い回しは少し変わるが、ほぼ同じ。

『時しも今は牡丹の花の
 咲くや乱れて 
 散るは散るは 散りくるは
 散りくるは 散りくるは 散りくるは
 ちりちり 散りかかるようで
 おいとしうて寝られぬ
 花見て戻ろ 花見て戻ろ 
 花には憂さをも 打ち忘れ』

(意訳は5月10日記載文にあり)

このような、ことば遊び的歌詞は、
当時の上方歌にみられた傾向なのだろうが、
菊之丞は特に繰り返しのリズミカルな韻を好んだようだ。

この後に作られた「百千鳥娘道成寺」にも
同じような所が幾つかある。

『…さっさどんどん
 さっさどんどん
 とととと つくつく
 てんつく とんつく
 どんがらが どんがらが…』

「…夜半吹く風に
 つんつん妻戸を
 ほとほと きりきり
 ほとほと きりきり
 やっきり やっきり…』

菊之丞が、上方から連れてきた三味線弾き、
上村作十郎の引き出しには上方歌が一杯入っているのだ。


 〓 〓 〓

tea breaku・海中百景
photo by 和尚

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