西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

「靭猿」

2011-07-23 | 長唄を作った人たち (c) y.saionji
「靭猿」


杵屋勝三郎(2世)は常磐津「靭猿」(1838・天保9年・市村座)
を長唄に写した「靭猿」(1869・明治2年)を作曲。
いずれも原曲は狂言の「靭猿」だ。

大薩摩が長唄に吸収されたことで、
浄瑠璃の扱いが自由化されたとでもいえるだろうか。
限りなく常磐津に近い仕上がりだ。

ちなみに勝三郎の大薩摩名は、初音太夫東成。
現在、関西の杵屋禄三氏が東成の2代目を継いでいる
(2009・平成21年、11月襲名)。

縁の人たちによって、かく名跡は継がれていくのです。


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photo by 和尚