チェロ五十代からの手習い

57才でチェロに初めて触れ、発見やら驚きを書いてきました。今では前期高齢者ですが気楽に書いてゆこうと思います。

久しぶりの観劇 ミュージカル「グレイ・ガーデンズ」

2009年12月05日 22時10分51秒 | コンサート
日比谷のシアタークリエで「グレイ・ガーデンズ」を観てきた。

演出:宮本亜門、大竹しのぶ、草笛光子中心のミュージカル。2幕仕立てで間に25分の休憩がある。

 演劇門外漢の僕がなぜチケットを買ってしまったのかは自分でもなぞ。草笛光子も大竹しのぶも好きな俳優だからかもしれない。しかも落ちぶれて高齢になっての親娘のやり取りが面白そうだったし、草笛さんが高齢を押してミュージカルにチャレンジしたことを賞賛したかったから・・・。

 雨の日比谷、帝国ホテルに車を突っ込んで、チケットを見せてレストランで食事すれば駐車場代が無料になるという特典に誘われて1Fのレストランでちょっとコーヒーでもと思ったが、ついつい二人でクラブハウスサンドやらアップルパイやら頼んだら、やっぱり一枚を拠出するはめに。駐車代はらって、近くのタリーズでお茶すればよかったかも。

 さて、久しぶりの観劇の印象
1)第一幕は、ケネディー家に嫁ぐ当日に破談となるシーン。地位も富も名誉も美貌も持ち合わせているタカビの一家を演じているのだけど、なんだかアメリカ人の強気の感覚を日本人が演じることに「違和感」があってイマイチ乗れなかった。

2)ところが二幕に入り、まさに度肝を抜かれたのは、大竹しのぶの姿。セレブだった彼女が、30年を経て零落した姿は、まるでオバサン丸出し。贅肉のついた体を水着で包み(よくスポーツセンターでオバサンたちがプールを歩いている格好そのもの)、しかもよせばいいのに黒い網タイツの上にミニスカートを上下逆さまに履いて、頭はマフラーみたいなスカーフをかぶって・・まるでロシア人形(中から何個も出てくるこけし)のお化けみたいな格好で出てきたときだった。実はブロードウェイの原作でもこの格好だったらしいのだけど、あまりすざましいおばさん姿にのけぞってしまった。

3)しかしそのオバサンが可愛いくなってゆく。これは大竹しのぶさんそのものの可愛いさなのだど思うのだけど、歌っても、母子で言い合いをしていても、泣き言を言っていても彼女の可愛さが包み込んでゆくため、いつの間にかそのトンデモナイお化け姿に魅了されてゆくのだった。この気持ちは会場を埋め尽くした600名の観衆全員の思いだったろう。

4)だからカーテンコールに大竹さんが登場したとき(なんとカーテンコールもそのみっともない、噴飯もののオバサン姿なのだけど)拍手は鳴り止まなかった。その姿にプロの女優の凄さ、大竹さんの才能の素晴らしさを感じたし、素直に心から拍手を送った。

5)草笛さんがカーテンコールに登場した時は、大竹さんと全く違う感情が湧き出てきて、思わず涙がでそうになった。大スターの貫禄というのか、杖をついた老婆の役ながら、素晴らしい存在感を感じさせてくれた。大竹さんなしにはこのミュージカルの成功は無かったけど、草笛さんの演じた女の生き様がバックに無ければ大竹さんもあそこまでやれなかったと思う。

6)その他の印象
 ①休憩時間の女性トイレの混雑振りは過去最高だったかも。劇場の左右を2~3列の女性が列を成して埋め尽くしていた。さすが日比谷なのか、オバサンは誰一人男子トイレに進出してこなかったな~。女はなんであんなに時間がかかるんだろう
 ②日比谷地区は喫煙者絶滅状態。ホテルで、シアターで「どこかでタバコ吸えますか」と聞いて歩いたけど「バーなら・・」という答え。ホテルのバーだと一杯千円を越えるよな~タバコ一本1500円くらいの見当になるよなーと諦めた。(実はコーヒーショップが地上にあったのだが)
 ③ついでに、大変面白い舞台設定だったと思う。他は知らないんだけど、二階の部屋、一階の部屋、邸宅の外・・これらのシーンを、カーテンを下げたり、壁の一部を動かしたりするだけで、全く違った世界に連れてってくれる。こういうのも演出家が考えるのだろうか・・

 かくして、久しぶりの東京観劇ツアーは終了。結果は大満足、出演者、演出家の皆さんに感謝。

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