大盛況のうちに、来日初日のコンサート終了。
NY在住のmusician SUSHI氏絶賛のピンク・マルティーニは、
世界ツアーの途中で来日し由紀さおりさんとのジョイントコンサートを開いた。
<米国Jazz部門で坂本九以来の NO1を獲得したピンク・マルティーニと由紀さおり>
謎なのは・・・
「なぜ来日初コンサートが千葉文化会館大ホールなの?」
「東京のホールが空いてなかったの?」ということだった。
<何年か前に、ヴェルディー「レクイエム」で舞台にあがった文化会館大ホールは満席>
その謎は早々に解消された。
実はリーダーのトーマス・ローダーデールはホームステイしながら、千葉県の幕張高校に通っていたことがあり、
そのときのホストの老夫妻が招待されていた。(休み時間には、実家の両親と会っている雰囲気だったな~)
司会もマーチンがちょっとあぶない日本語(だけど発音は外人離れ)と英語で行っていた。
さて、音楽についてだけど、Jazzバンドと思って聴きに行くと期待は裏切られる。
基本はラテンバンド。スウィングも演奏するけど、シャンソンやらアラビア音楽やら、
南米からボサノバやサンバ、様々なダンスミュージック(マンボ、チャチャチャ、ビギン・・)
大半が歌が入っているけど「なんでこんなごった煮なんだ?」と驚かされる。
由紀さおりのバックバンドとしては、日本の歌謡曲の雰囲気そのままに演奏する。
一番驚いたのは日本で全く流行らなかった和田弘とマヒナスターズの「菊千代と申します」という曲を
カバーしたこと。琴とハワイアンギターがフィーチャーされているけど、これは残念ながら感動しなっかった。
下町のうらぶれたクラブで演歌バンドを聞いている気分になっちゃった・・・
学生試合には、一心不乱にモダンジャスを聴いてききた世代としての「衣」がまだ抜け切れてないだけか・・・
でもソフィスティケートされたジャズの世界とはあまりにもギャップが大きすぎるんだな~。
<購入した最新アルバム。 「菊千代と申します」も入っている>
でも1~2曲あったインストルメンタルの本格的ジャズでは彼らのすごい技術も感じたし、
そのときだけは会場もアドリブがリレーするたびに、惜しみない拍手を送っていた。
音楽はそんな感じだってけど、リーダー、トーマスの姿勢には感心させられることが多かった。
由紀さおりを「日本のバーブラストライザンド」と心から尊敬していることは節々に伝わったし、
バンド全員で観客を楽しませようとする姿勢、全力投球する彼らに心から拍手を送った。
ロイヤル・アルバートホールを総立ちにさせ、米国ツアーで様々な成功を収めてきたた彼らが、
千葉公演終了後にも、握手会を開催して、長蛇の聴衆と笑顔で握手してくれるサービスには
全く脱帽でした。
コンサートを終了して謎が深まった部分もある。
なんでカナダやアメリカ出身の彼らが、紅白歌合戦みたいな感覚で
コンサートを開けるのか、歌謡曲がなぜ欧米で賞賛されるのか、全く理解に苦しむ。
それに、なんで「菊千代と申します」なんてアルバムがオレゴン州・ポートランドの
レコード店で発見できるんだろう・・・
だいだい、なんでハーバード出身で政治家志望だったリーダーでピアノ奏者のトーマスが
「音楽考古学」と称して世界中の古いアルバムを掘り起こしているんだろう・・・・
不思議だ