日々茫然

猫・本・アート・日常生活などを、つれづれと思いつくままに記録

フラガール

2006-10-19 | 映画の話

久しぶりに、レディースデーを利用して映画を見てきました。
今何をやっているのかチェックして、適当に選んでみました。

フラガール』です。



昭和40年、福島県いわき市の炭鉱町。本州最大の炭鉱・常磐炭鉱はかつての基幹産業としての隆盛は見る影もなくなっていた。男たちは数世代前から炭坑夫として、女たちも選炭婦として働いてきた。だが今や石炭から石油へとエネルギー革命が押し寄せ、閉山が相次いでいる。
この危機を救うために炭鉱会社が構想したのが、レジャー施設「常磐ハワイアンセンター」だった。しかし2000人の大幅な人員削減が迫る一方、雇用予定は500人。「残る1500人はどうなる」「北国にハワイなんかできるわけがない」と反発が相次いでいた。
そんな中、目玉企画となるフラダンスのダンサーが募集された。
しかし、最初に集まったのは、親に内緒で来た早苗(徳永えり)と、早苗に誘われてついてきた紀美子(蒼井優)、会社の庶務係で子持ちの初子(池津祥子)、父親に「お山の役に立つなら」と連れてこられた小百合(南海キャンディーズ・しずちゃん)のたった4人。
ダンスなど踊ったこともない炭鉱の娘たちにフラダンスを仕込むために、東京から元SKD(松竹歌劇団)の花形ダンサーで、本場ハワイでフラダンスを習ったこともある平山まどか先生(松雪泰子)が招かれた。
最初は田舎町を軽蔑し、ど素人の娘たちに踊りを教える意欲もないまどかだったが、紀美子たちの熱心さに次第に真剣になっていく。
しかし、世間の風当たりは依然強く、さらに予期せぬ出来事が起こり・・・。


常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)の誕生実話だそうです。

最初は、「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」みたいな話かと思いました。
見たことないけど「リトルダンサー」にも似てるらしい。確かに、主人公は少年だけど「炭鉱の町で周囲の反発にあいながらダンスに情熱をかける」って、かなりかぶってます。
でも、「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」みたいな終始明るい話ではなく、以外に早い段階から泣き所が…
辛いエピソード満載
期待していなかっただけに、あっさり感動させられました。
展開はベタと言えばベタだけど、それって誰でも感動できる、ということでもあります。
ベタも悪くないです。

松雪さんは終始カッコイイし、ラストの群舞と蒼井優ちゃんのソロダンスには魅了されました。
しずちゃんにまで泣かされた
蒼井優ちゃんの兄役の豊川悦司さん、炭鉱夫の中で飛びぬけて背が高くてかっこよすぎ
でも、昔ながらの生き方を通そうとする母(富司純子)と、夢を持ち新しいことに飛び込んでいこうとする妹の間に挟まれて、両方の気持ちを理解し戸惑う、複雑な心境の兄が良かったです。

時代の変化についていけなくて、今まで通りのありかたに固執する人と、今のままではいけないと、新しいことに挑戦する人の対比。
実話なので、新しいことが成功したことが分かっているわけですが、普通は「北国にハワイをつくろう!」なんて荒唐無稽なことができるわけがない、と思ってしまいます。
成功したって、全員がそこで働けたわけじゃないし。現実に、閉山後に職をなくして路頭に迷った人々もたくさんいたわけです。
その時代その場所にいたなら、変化を恐れてしまう気持ちも理解できる…
それでも、辛いことを乗り越えて笑顔で踊るダンサー達を見て、「変わっていくことも悪くない」と思えたなら、反対していた人たちも、未来に希望を持てるようになれたのではないかなぁ。

コメント (8)
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