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日々茫然

猫・本・アート・日常生活などを、つれづれと思いつくままに記録

2025年3月に読んだ本

2025-04-30 | 本と漫画の話

gooブログ終了のお知らせにビックリしました。

もはや読書メーターの月まとめ保存専用と化していましたが、自分の過去の読書記録「この本読んだっけ?」「当時どんな感想書いたっけ?」とか掘り起こすのに困るので(読書メーターでも本を指定すれば遡れるけど、月毎にまとまってる方が、同時期に読んだ本も分かるので、自分の思い出の振り返りとして楽しい)、一応お引越しを考えてみます。Amebaにするか、はてなにするか、検討中です。

足の骨折は、骨はしっかりくっついて問題ないものの、傷めた靭帯やギプス固定で固まってしまった筋に痛みがあり、リハビリ継続中です。最初のうちはしばしば痛くて歩くのも辛い、ということがありましたが、今は“多少痛いけど我慢すれば歩ける”くらいには回復してきました。なかなか痛みが解消されなくて、本当にこの痛みや違和感がなくなって元通り歩けるようになるのかな?と不安もありますが、この先一生歩くのに不自由するのは嫌なので、しっかりリハビリ頑張ります。

 


3月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:1596
ナイス数:103

よつばと!(16) (電撃コミックス)よつばと!(16) (電撃コミックス)
★4 四年ぶり!なんともう自転車の補助輪取ってる!よつばは身体能力高いな。クリスマスツリーを飾り、高尾山にトレッキング(ジャンボがいないのが寂しいけど、よつばと同レベルで喧嘩できるやんだと3人でというのがまた新鮮)、お隣で風香の趣味探し(あさぎの趣味が多肉植物というのは意外。風香だらけすぎて体形緩んでない?笑)、逆上がりの練習で学校に行く恵那、みうらについて行く。そこに意外な人物が…(twitterでトレンド入りしてて読む前にネタバレ踏んだ)。
次はまた3〜4年後かなぁ。まだクリスマス本番も迎えてないよね?
読了日:03月03日 著者:あずま きよひこ

 

夏目友人帳 31 (花とゆめコミックス)夏目友人帳 31 (花とゆめコミックス)
★3.5 前巻の続きから。《妖祓い関係のオークションが行われる元仲冨家の館で、田沼が知人から預かった出品物が奪われる。シノブの正体は的場の姉で、呪具コレクターは黒ミサ(的場)ではなくシノブだった。シノブの信奉者である“7”が、盗まれた5つの呪具を使って、仲冨家の家宝を見つけようとしていた/様子のおかしいニャンコ先生を追いかけて、廃遊園地に辿り着いた夏目。そこには依代の里を出た招き猫達が棲みついており、2人に助けを求めてきた》
的場家の確執気になる。招き猫達の話は可愛かった。こういうホッとする話も好き。
読了日:03月04日 著者:緑川 ゆき

 


今日もネコ様の圧が強い今日もネコ様の圧が強い
★3.5 SNSでフォローしてて、本になったので購入。人間に対して辛辣な猫様達が面白い。ただ、SNSで1回ごとに単発で読むのと、本にまとまってて続けて読むのとでは、印象が違う感じも(1回ごとにインパクトのあるコマなので、ちょっとクドい?)。コマが大きいので、あっという間に読み終わってしまったこともあり、さらに全編カラーだからこのお値段も致し方ないとはいえ、若干物足りなさを感じた。猫様達の描き方、好きなんだけどね。SNSでの見せ方と紙の本とじゃ違いがあるってことかな。内容自体はおススメ。
読了日:03月10日 著者:うぐいす 歌子

 


ミステリと言う勿れ (15) (フラワーコミックスα)ミステリと言う勿れ (15) (フラワーコミックスα)
★4 ついに桜の季節が来て、ライカとの別れが…。千夜子が良くなればライカは消えてしまう。それは喜ばしいことだけど、整とライカの友情(愛情)も消滅してしまう。ライカの存在は、整の記憶にしか残らない。整がそれを正しく理解し、最後までケジメをつけて接していたのが切ない。最後のライカの警告、整にとってまた辛いことになりそう。千夜子が「カレー好き」って…いつか整のカレーを食べる日が来たりしないかなぁ。
《整の大学で過去に起きた男女転落死事件について、ライカと考察。結論を天達先生に発表する/ライカはレンに会い整のことを頼む。別れの日まで整と二人で様々な体験を楽しんだ/レンに誘われて大学のマラソン大会に。池本刑事も参加しており、大学に脅迫電話があったことを知らされる。整は参加者の夫婦から、行方不明の息子から届いた手紙がマラソン大会に関係した暗号なのではと相談され…》
ライカの鋭い指摘が、整の推理の助けや忠告になっていたから、今後相談相手がいないのは心配でもある。
読了日:03月15日 著者:田村 由美

 


ねことじいちゃん(11) (MF comic essay)ねことじいちゃん(11) (MF comic essay)
★4 猫の多い小さな島で暮らす、猫のタマと大吉じいちゃんの日常。のんびりと暮らす島の猫達、手間暇かけて丁寧に作られる美味しそうな手料理、幼馴染の巌じいちゃんたち島の人々との交流、時々挟まれる子供時代や若き日の思い出。どこか懐かしいような昭和の気配が色濃く、穏やかな生活や景色が描かれていて、読んでいてホッとする。「思い出のポークチャップ」では店主の修行時代から長年交流を続けていた洋食店の閉店が描かれ、切なかった。
読了日:03月17日 著者:ねこまき(ミューズワーク)

 


異世界居酒屋「のぶ」 (19) (角川コミックス・エース)異世界居酒屋「のぶ」 (19) (角川コミックス・エース)
★4 たまたま実写化ドラマを見て興味を持ち、電子版で読んだらハマった。既刊全て読了、最新刊だけ登録。
《現代日本にオープンしたはずの「居酒屋のぶ」。その店の入口は、中世ヨーロッパ風の異世界にある、古都・アイテーリアに繋がっていた。》
大将とシノブ2人で切り盛りする居酒屋(徐々に現地人の従業員も加わる)には、衛兵や職人、商人、役人、僧侶など様々な職業や身分の人々が集う。時には高貴な身分の人々もお忍びで訪れ、“タイショー”の料理に舌鼓を打つ。美味しそうな料理とノブに集まる人々の人間模様が描かれ、全く飽きない作品。
読了日:03月19日 著者:ヴァージニア二等兵

 


矢野くんの普通の日々(10) (モーニングKC)矢野くんの普通の日々(10) (モーニングKC)
★4 なんか今回は笑えるシーンが多くていつも以上に面白かった。だるまさんが転んだが特に笑えた。田中君はほんといいキャラしてる。/当初は人間関係に波乱を巻き起こすタイプだった寺井さんも、なんだかんだでいい感じに落ち着いてきて良かったな。/泉さんがモテて、羽柴君はモヤモヤ。苦労人羽柴君、報われますように。
《寺井さんち(豪邸!)にお泊まり/みんなでカラオケ。アミカの歌で盛り上がる/泉さんにモテ期到来/矢野君ちで二人で勉強。お母さん公認に/メイ&寺井ライブ参戦/矢野君に手当てしたい清子がキャラ変で迷走/美術部の後輩五十嵐君と仲良くなりたい矢野/みんなでだるまさんがころんだ》
読了日:03月24日 著者:田村 結衣

 


デキる猫は今日も憂鬱(10) (ワイドKC)デキる猫は今日も憂鬱(10) (ワイドKC)
★4 スーパーの店員の理央から、家事を教える代わりにギターを習い始めた諭吉。幸来に曲を披露しようと頑張る/練習スタジオとして提供してもらったコンテナハウスの花壇にはしゃぐ諭吉が可愛い/急須で淹れるコーヒーそんなに美味しいのかな。コーヒー好きじゃないけど、これは試してみたくなっちゃう。
読了日:03月24日 著者:山田 ヒツジ

 


きみの絶滅する前に (モーニング KC)きみの絶滅する前に (モーニング KC)
★3.5 以前SNSで見かけて電子版を購入、やっと読んだ。可愛らしい絵柄と裏腹に、残酷で重くて深い。冒頭いきなりペンギンがペンギンを射殺する場面で始まる。ペンギンを皆殺しにしようとするペンと、卵のように石を温めるマール。共に暮らす2匹の会話は、軽口混じりだけど深い。そして衝撃の結末。続いてハワイガラスの話へ。絶滅寸前の生き物達が次々主役となって、卵のような石だけが共通する連作短編。多分ペンが(マールも?)転生しながら、命とは、生きる意味とは、答えを探す物語。まだうまく消化できてない。
読了日:03月25日 著者:我孫子 楽人

読書メーター

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2025年2月に読んだ本

2025-03-26 | 本と漫画の話

1月はじめに骨折した件、3月はじめにやっと松葉杖が1本になり、翌週には杖なしで歩く許可が出ました。
2カ月間、松葉杖に頼った歩き方(健康な左足側重心)をしていたので、体のバランスを元に戻すのに、また体中の関節や筋(特に体重がかかっていなかった右膝と腰)が悲鳴を上げ(松葉杖を使い始めた時は、左膝や、両肩、肘、手首、肋骨などが痛かった)、ケガの場所よりそっちが痛くてろくに歩けない!
年齢的にそもそも体のあちこちに不具合が出てきているくらいなので、回復も遅いです。お年寄りが、骨折を機に歩けなくなってしまった、などと言われているのがよく理解できました。

室内など少しの移動は杖なし、少し歩く時は片松葉で、1週間ほど徐々に慣らしていきました。
松葉杖を返却した後も、外出時などは、母が膝関節の手術をした時に使っていたステッキを借りています。
3月下旬になっても、まだ足首の動きが悪く、少し歩くと痛みが出てくるし、まだ全然元通りには歩けません。
でも、生活はほぼ通常運転に戻していけてます。
ちゃんと歩けるようになるまで、リハビリを頑張ります。

歩けない間に、見逃した展覧会がいくつか。会期終了間近の展覧会、近々始まる展覧会や映画など、見たいものが色々溜まっています。
行きたいなと思ってますが、遠方のものもあり、足の状態を考えると、諦めないといけないのが多いかも・・・


2月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:2188
ナイス数:123

乙嫁語り 15 (青騎士コミックス)乙嫁語り 15 (青騎士コミックス)
★4 《スミスは、タラスを連れてイギリスへ帰国。家族にタラスと結婚したいと告げる。父と兄は諦めに似た境地で受け入れるが、母は…?》
時代背景的に偏見が強いのは仕方ない。父兄やホーキンズのような理解者がいるだけマシなんだろうな。遠い異国の地で他に話せる人もいないタラスさんが気の毒だけど、本人はスミスといれば幸せみたいだし、強い人だ。船でのチュバルと猫のエピソードにほっこり。タラスさんにもそんな友人ができればいいな。しかしこの2人はもう中央アジアへは戻らないのかな。情勢がきな臭いしな。
ニコロフスキさんやアリの近況が描かれていたのも良かった。アリはついに結婚できて良かったね。ツンデレの幼馴染とは。お似合いだ笑
読了日:02月06日 著者:森 薫

 
同居人はひざ、時々、頭のうえ。(1) (ポラリスCOMICS)同居人はひざ、時々、頭のうえ。(1) (ポラリスCOMICS)
★4 記録漏れ。電子版で既刊11巻まで読了。
《作家の朏素晴(みかづきすばる)は、他人が苦手。両親を亡くし一人で人との関わりを避けて暮らしている。そんな素晴はある日1匹の猫と出会い…》
猫を飼い始めて人生が変わっていく、というありがちな設定ではあるけど、人視点と猫(ハル)視点で交互に同じ話が描かれるのが面白い。動物が話す系はちょっと苦手なんだけど、これはあくまでも人と会話は通じてないし、ハルの性格も面白いので、なんとなく受け入れられる。周りの人もいい人だらけで、読んでてストレスがない笑。癒し。
読了日:02月06日 著者:みなつき,二ツ家あす


税金で買った本(14) (ヤングマガジンKC)税金で買った本(14) (ヤングマガジンKC)
★3.5 《借りた本のタイトルは本人にしか教えられない。姉のカードで借りた未返却本が分からず窮地に陥る弟/本の外箱の行方/新しい館長補佐は色々口出ししてくる。非正規をバカにした発言もあり、現場との軋轢が…》
廃棄の本とか外箱とか付録とか、リサイクル配布してくれる図書館もあるんだ。いいなぁ。雑誌の付録がどうなってるのか気になってた。/付録がメインの本の購入は、利用者目線でもどうかと思う。リクエスト却下でいいのに。/館長補佐、仕事してる感出して爪痕残そうとするタイプ。茉莉野が管理職になったらこうなりそう。→システム更新どうなるのかなぁ。現場の意見を入れた方が、生産性は上がるのにね/配架は本来「排架」と書くとは知らなかった。角野さんも振り回されてるなぁ。
読了日:02月11日 著者:系山 冏


近畿地方のある場所について近畿地方のある場所について
★3.5 《オカルト系ライター(筆者)が、オカルト雑誌の新人編集者とともに「近畿地方のある場所について」調べていると、編集者が失踪…取材を続けるうち、様々な事実が浮かび上がってくる》
実録怪談風。廃刊したオカルト誌の記事や当時の取材記録、情報提供者からの聞き取り、オカルト掲示板の書き込みなど、様々な形で提示される怪談、時々挟まれる筆者のパート(取材の進捗)。山から誘う声、山に棲む巨大な白い人、ジャンプする赤い女、子供の幽霊、奇妙なシール、心霊スポットのダムや廃墟、怪しげな宗教etc.地名しか共通点がなさそうだった怪談の断片的な要素が繋がっていく。一体元凶は何なのかと、気になって一気読み。ある程度は繋がったし、発端らしき話も出てきたけど、ホラーだけに全てスッキリとはいかず、じわりと不安感のある余韻を残す。終盤のミステリ的仕掛けは中々効果的で良かった。(けどこの仕掛けが最大のサプライズになってしまい、元凶に迫る怪談としての山場の盛り上がりが霞んだ気もする)前評判でハードル上がってしまったかも。個々の怪談は気持ち悪くて(怪談として)面白かった。
最後の袋とじは、作中に出てきた失踪人のチラシや不気味な絵、写真など。最後の子供の写真は、AIで作ったっほい微妙な歪み、違和感が出てて怖い。
読了日:02月13日 著者:背筋


おじさんはカワイイものがお好き。 (11) (ポラリスCOMICS)おじさんはカワイイものがお好き。 (11) (ポラリスCOMICS)
★3.5 苦手な人との仲も縮まってきて、読んでて楽しい場面が多くて何より。
《鳴戸課長と出張。飲みで仲は深まるか?/武林さんが推しているアイドルグループJAMが動物キャラクターに。興味がなかったはずのキャラクターものに物欲が/ファンシーショップでJAMのキャラクターグッズを物色する武林さんと遭遇。お互いの気持ちがちょっと理解できるように/タビを保護して半年、もし元の飼い主が見つかったらと動揺する鳴戸課長/SNSを再開した小路課長。ぬい撮りに挑戦/休日のケンタ君はくまちゃんの祭壇作りに熱中するうち…/ →TV番組でおじさんタレントがソロ活でKDパークへ。触発されてケンタ君と行く計画を立てる。ところが当日真純君と鉢合わせ!》
真純君は理解あると思うけど、誰と来てるかにもよるし、誤魔化すのかな。
読了日:02月14日 著者:ツトム


プリンタニア・ニッポン(5)プリンタニア・ニッポン(5)
★4 今回も面白かった。やはりプリンタニアが大きな鍵を握ってそうな展開。/塩野と向井が調査に参加していた場所へ人型の生物が飛来。念力?で脱出口を封鎖し通信も遮断、一瞬で女性型から男性型に変異、負傷箇所もすぐ修復し、攻撃的で手がつけられない。塩野や向井も負傷。ところがプリンタニアが現れた途端、大人しくなり捕獲された/襲来した生物は旧人類では、と噂される。旧人類資料館を見学する佐藤。てごねが人型すあまに怯えてて可愛かった/シリアス展開からの生餅会の標語集め。ゆるい。この緩急がいい/→嬰児施設の見学。やはり現行人類は人工的に生まれたものか。雌雄どちらでもないってことは、生殖能力がないとかなのかな。名前の謎とかも判明/防護膜の不調による荒天の影響で増水。根付きプリンタニアの保護作業へ/流されそうな待屋を驚異的な身体能力で助けた謎の少年の正体を巡り、臨時評議会が開かれる/少年の“保護者”という黒い靄はニアと名乗る。気になるところで次巻へ。どんどんこの世界の秘密が明かされていくけど、より複雑さが増してきた。面白い!
読了日:02月17日 著者:迷子


夜は猫といっしょ 7夜は猫といっしょ 7
★4 あっという間に読み終えちゃうんだけど、キュルちゃんの仕草が本当に猫そのもので猫あるあるすぎるので、買って後悔はない。読み返してみても、またふふってなるから何度でも味わえるし。大きな物語の動きがあるわけでもないのに、ここまで続いててネタ切れ感がないのはすごい。フータ君の先輩と先輩の家の猫さん達、ピーちゃんの友達と、新キャラがちょっと増えたのが大きな変化なくらい、兄妹とキュルちゃんだけでも充分保ってた。でも先輩の猫さんは2匹いるし、キュルちゃんとはタイプが違うから、違うパターンが見れて、新たな楽しみ。
読了日:02月17日 著者:キュルZ


特別じゃない日 はたらく理由特別じゃない日 はたらく理由
★4 今回も良かった。コンビニ店員、老夫婦、商店、アパートの住人など、同じ地域に住む人々を描いた連作短編漫画で、登場人物には、親子だったり兄弟だったり同僚だったり、どこかで少しずつ繋がりがある。今回新たに獣医さんが登場。また新たな繋がりが生まれた。
《シャケが嘔吐し、夜間に動物病院へ駆け込んだ吉田。治療費が払えず病院でバイトをして払うことに/弁当屋の奥さんは婿入りで文句も言わず働いてきた夫に自分の時間をと旅行を勧めるが、口論に/動物病院の院長がギックリ腰に。安静にさせるため吉田がお世話&見張ることに/→ラーメン屋で働く戸塚は、店の新メニュー(野菜系)を任される。困っている戸塚を見兼ね、常連のしおりが野菜カフェに誘う/バイク旅YouTuberの田口の過去。伊藤との友情/吉田が動物病院で働くことになり、動揺する純加》
各話の間に4コマや1〜2ページの短い話もあって、それがまたほっこりして良い。しおりちゃんって、雰囲気が佐藤栞里ちゃんみたいだな。可愛い。
読了日:02月18日 著者:稲空穂


にゃんこ関西弁辞典にゃんこ関西弁辞典
★4.5 『にゃんこ四字熟語辞典』『わんこ四字熟語辞典』シリーズ新作。四字熟語は写真と言葉がイマイチしっくりきてないこともあったけど、関西弁と猫の組み合わせはめちゃくちゃしっくりくる。思えば『動物のお医者さん』のミケ以来、私の脳内では、猫は関西弁で話すとインプットされている。親和性が高いはずだ。ちょっとキツめの言葉も、関西弁だと、漫才のツッコミみたいな気安さがあり(言い方によっては迫力が出るのだろうけど)、思わず笑ってしまう面白さがあった。シリーズで一番好き。
読了日:02月20日 著者:西川清史


本なら売るほど 1 (ハルタコミックス)本なら売るほど 1 (ハルタコミックス)
★4 《古本屋「十月堂」を訪れる様々な人々と本と店主の関わりを描くヒューマンドラマ》
やる気のなさそうな店主だけど、本へは真面目に向き合う。亡くなった人の蔵書買い取り、故人の思い出、文学好きな少女の恋、部屋中を本棚にする夢のDIY、着物好きな女性と半七捕物帳、古本屋を始めるきっかけになった古本屋の話。本に興味のない人との間の深い溝、そこを超えたとき近づく心の距離、本好きにも色々あったり(単純にコレクターで読まない人もいるんだ!)、着物を粋に着こなすご婦人の格好良さ!
最後の美大生の作品はショックだな。本もアートも好きだから、発想としては理解するけど、本である必然性があるか?彼の場合はその辺が薄っぺらい気がする。読むつもりなどなく、ただ安い本を適当に買い集めただけ。素材としか見てないのだろう。扱いも酷い。これは本好きとしては腹立つ。「コンセプトは?なぜこの本を選んだの?」とか問い詰めてみたい。もし納得のいく回答なら、作品として評価するのもやぶさかではないけど、彼の描かれ方からして、浅そう。
【本を葬送る/コーヒーにこんぺいとう/アヴェ・マリア/201号室入居者あり/当世着倒気質/さよなら、青木まり子】
読了日:02月23日 著者:児島 青


中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。(1) (マガジンエッジ)中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。(1) (マガジンエッジ)
★3.5 電子版で5巻まで購入、読了。原作の世界観と違っていたらと思って読んでなかったけど、作画は原作コミカライズと同じ志水先生だし、ストーリーも違和感なく読めた。メイン以外の原作のキャラクターもちらほら登場するし、怪奇ミステリとしてもなかなか面白い。学園の七不思議的なちょっとした謎から、数話かけた犯罪に関わる本格的な事件まで、回によって複雑度が違う感じで幅広い。主人公が何にでも首を突っ込んで行くタイプで、ちょっと無謀の度が過ぎる印象はあるけど、このくらいじゃないと事件を引き寄せられないのかもな。
読了日:02月27日 著者:志水 アキ,田村 半蔵


午後の光線 (カドコミ)午後の光線 (カドコミ)
★4.5 アメトークの「漫画大好き芸人」で紹介されてて気になったので、電子版で購入。なんだかちょっと文学のような気配の作品だった(漫画を下げる意図はない)。BL要素もあるけど、二人の抱える苦悩と心の揺れ動きが主題だと思う。重く、切なく、苦く、でも不思議と前向きな余韻があった。
《母の恋人が入り浸る家庭環境に苦悩する淀井。トラウマにより、グロテスクなものに性的興奮を覚えてしまう村瀬。ある日、村瀬が苛烈ないじめに遭っているのを目撃した淀井は、激昂し相手に暴力を振う。この事件をきっかけに二人は仲良くなるが…》
村瀬の綴る言葉は詩的で美しい。村瀬もちゃんと美しいものを持ってる/飯田君(柿沼君も)最高にいい奴。彼の物語も知りたい/哲郎(母の恋人)も悪い人じゃない。粗野だしアプローチも間違ってたけど、彼なりに淀井に向き合った。言ってることは割と正しいし、案外大人。母親は淀井に愛情はあっただろうけど、子供のために大人になることができなかった。愛情が必要な幼少期に、放置した/淀井の母と対照的であろう村瀬の母親(父も)が一切登場しなかったのはなぜか、とか考察し甲斐がある描写が多い。
読了日:02月28日 著者:南寝

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2025年1月に読んだ本

2025-02-26 | 本と漫画の話
1月早々に右足を骨折しました。
松葉杖での生活は想像以上にしんどく、最初は心が折れそうでした。
なにしろ家がエレベーターなしの3階。松葉杖だけでの登り降りは怖すぎてとても無理。幸い手すりがあるので、片方は手すりにつかまり、片方は松葉杖で、なんとかなりました。
とにかく1人では何もできないような状態で、家族や職場の人の手を借りて、なんとか生活しています。
外出は通院と仕事の往復のみ。(家族に車で送迎してもらい、当分は出勤日を減らさせてもらった)どこにも出かけられません。
2月下旬になって、やっとギプスが取れ、少しずつリハビリで足を使う練習が始まりました。
ギプスが取れ、足をほんの少しつくことができるようになっただけでも、驚くほど楽になりました。湯船に浸かれるようになったのも嬉しい!この冬の寒さでシャワーのみは本当に寒かった!!
でもまだできないことの方が多いので、早く自力で歩けるようになりたいです。


1月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:448
ナイス数:84

猫奥(10) (モーニング KC)猫奥(10) (モーニング KC)
★4 今回も面白かった。大奥の暮らしや年中行事が色々知れるのも好きだなぁ。《吉野ちゃんの首輪に文が2つ。誰の悪戯か?/精霊棚にじゃれつく紫ちゃん。滝山のためにその様子を絵に描いた照代(照代の絵www)/酔っ払って猫大集合の癒される光景を見逃す滝山…/御輿巡行の騒ぎで紫が行方不明に(吉野ちゃん偉い!)/弟の家ではまた新入りが(やさしい)/以前迷惑をかけたとしを気にかける小山。(ちょっと重いw)/国芳と広重が大岡(弟)の家で鉢合わせ(広重も猫好きだった!)》読切の「おのぼり侍」も面白かった。
読了日:01月25日 著者:山村 東

 
おじさまと猫(14) (ガンガンコミックスpixiv)おじさまと猫(14) (ガンガンコミックスpixiv)
★3.5 表紙の女性、もしや母親かと思ったら、師匠だった。神田さんの師匠が女性は意外だった。しかも自ら押しかけていたとは。いい人で良かった。ストリートピアノで知り合った少年も、性格悪そうだったけど、いい子だった。師匠(マルガレーテ)のスパルタ?で、再びステージに立てるようになる日も近いのかも?ジョフロワも、顔は怖いけど変わろうと努力してたのか。マリンちゃんは大分太り過ぎで心配だわ…(日比野さんの出番がほぼなかったの寂しい)。ふくまるマリンのお兄ちゃんが野良暮らし?この漫画なら、多分幸せにして貰えるはず。
読了日:01月25日 著者:桜井海

 
交換日記がおわっても交換日記がおわっても
★4.5 小学校からオタクで親友な2人の友情の日々。仲が良すぎて微笑ましくて羨ましくて最後は泣けてきた。ミクロマン好きな親友さいちゃんのことを描いた漫画、当時twitterで読んだことがあり、マニアックなジャンルのファンて大変だなぁとか、熱量をずっと維持し続けてて凄い人だなぁとか、ちょっと感動すら覚えた記憶。それらの記録が一冊にまとまり、その本に仕掛けられたサプライズについての漫画が流れてきて、ああ、あの人の!と思い出し、電子版で購入。すごく素敵な友情。良いものを読ませていただいてありがとう(合掌)
読了日:01月25日 著者:AK壱乃

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2024年12月に読んだ本

2025-01-16 | 本と漫画の話

2025年を迎えました。
この年になると、とにかく家族(猫含め)健康で何事もなく過ごせるのが一番ありがたいです。
初詣でも、それだけをお参りしてきました。
と、その矢先、階段を踏み外し、右足を骨折してしまいました。
初めての松葉杖は、思っていた以上につらいです。
自分一人では何もできないし、慣れない松葉杖で全身は痛いし、心折れそうです。
でも、上の方から転落していたら死んでもおかしくなかったので、足だけで済んで良かったと思い、完治まで頑張ろうと思います。


12月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:832
ナイス数:51

ギュスターヴくんとまぼろしのどうぶつ (MOEのえほん)ギュスターヴくんとまぼろしのどうぶつ (MOEのえほん)
★4 ヒグチユウコさんのオリジナルキャラクター、ギュスターヴくんの絵本第2弾(他の作品にも登場)。
《10匹のギュスターヴくんたちは、まぼろしの動物を探して、森へ探検に出かけます。聞き込みをしながら進み、目当ての動物を発見!》
ほのぼのした絵本らしい可愛いストーリーだった。フィッケルペルネンクスという、顔は小型犬っぽくて胴が長め、タヌキっぽさもある、不思議な生き物。思わず検索したけど、実在しないみたい。 
キューライス作『幻のどうぶつ フィッケルペルネンクス』を参考に描かれたそうなので、元はキューライスオリジナルかな?
読了日:12月02日 著者:ヒグチ ユウコ

 
矢野くんの普通の日々(9) (モーニングKC)矢野くんの普通の日々(9) (モーニングKC)
★3.5 クラス替えでいつメンがバラバラに。みんなでのエピソードが減るかと思いきや、なにかと集まってるし、新しい友達もできそうだし、安心した。/羽柴君と清子が委員長は既定路線として、泉ちゃんと田中もとは、みんな成長してるな。/美術部廃部の危機に登場した新入生五十嵐君、新キャラ!色々勘違いしてるけど、そのうち理解してくれるんだろう/寺井さんもなんだかんだ馴染んできてる。メイちゃんと趣味を通じて仲良くなるとは/羽柴君と矢野君が二人で休日に会って仲を深める回良かった。
読了日:12月06日 著者:田村 結衣

 
ドクロドクロ
★4 好き。『どこいったん』のクラッセンによる、民話を元に創作した物語絵本。ブラックなところが際立ってて好き。訳者が「最高傑作」というのも分かる。《ある夜逃げ出したオティラは、森を抜け、古い屋敷を見つける。中で休ませて貰おうと声をかけると、ドクロが窓からこちらを覗いていて…》お互いわけは聞かない。「わかった」で通じ合うふたり。ドクロと首のないガイコツは、元はひとつじゃなかったのか?と思うけど、答えはない。オティラが淡々と念入りに処理する様子に、ゾクリとする。仄暗さのある、でも純粋な友情が刺さった。
読了日:12月16日 著者:ジョン・クラッセン

 
猫奥(9) (モーニング KC)猫奥(9) (モーニング KC)
★3.5 年末の行事からスタート。大奥での年中行事も色々描かれていて興味深い。/美登が見かけた御末の人物を滝山(多喜)だと思い込んでしまう。姉小路にも再度カミングアウトするタイミングが来たけど、明かせず。/小山の度を越した猫好きっぷりもわりと厄介/花町との因縁が明らかに。比べられる嫉妬だったのか。仲良しだったのに寂しいな。あと花町の若い頃可愛い笑/猫の簪、結局手元に戻ってこないのはちょっと残念/国芳が時々登場するのも嬉しい。
読了日:12月21日 著者:山村 東
 

呪術廻戦 29 (ジャンプコミックス)呪術廻戦 29 (ジャンプコミックス)
★4 連載完結時のキャンペーンで読了したが、単行本での加筆と描き下ろしが話題で気になり29,30巻購入。脹相が好きなので、加筆でより掘り下げられたのは良かった。宿儺に次々と挑んでは倒れまた次の呪術師が現れては挑み、じわじわと宿儺の力を削っていく。それぞれの持ち味を活かし、練った対策をぶつけ、まさに総力戦。
《ミゲルとラルゥ、夏油一派の二人の助力を得て肉薄する虎杖達に対し、削がれていた力を“黒閃”を決め取り戻していく宿儺…!! 極限の攻防を続ける中、虎杖もまた“黒閃”による覚醒で己の潜在能力を開放し─》
読了日:12月29日 著者:芥見 下々
 

呪術廻戦 30 (ジャンプコミックス)呪術廻戦 30 (ジャンプコミックス)
★4 最終巻は巻末に描き下ろし5のエピローグ4本。完結前に全編を読み始め、駆け足で一気読みだったから、覚えてないエピソードも多くてちょっとピンと来なかったのがもったいない/小沢さんって誰だったっけ?/パンダ〜!孫〜?!/野薔薇の家庭の話は覚えてなかったけどそんな感じだったの?/裏梅の話はちょっと絆されてる宿儺が意外
《魂の境に術式「解」を打ち宿儺を伏黒から引き剥がそうと、虎杖は領域を展開─その必中効果で宿儺へと押し迫る!! 呪いを廻る戦いに終止符を打つ最後の切り札とは!? 》
読了日:12月29日 著者:芥見 下々

読書メーター


なお2024年をまとめると、以下のようになりました。

2024年の読書メーター
読んだ本の数:85
読んだページ数:14709
ナイス数:1203

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2024年11月に読んだ本

2024-12-17 | 本と漫画の話

2024年も終わろうとしています。
年月の経過が体感としてどんどん早くなり、肉体的に老いも加速していくのを実感します。
無理がきかなくなり、ちょっと無理をするとその反動が如実に出るように。
久しぶりにガチのぎっくり腰もやってしましました。
やりたいこと、やらなければいけないことを思うようにできず、もどかしい思いをすることも増えました。
大きな病気や怪我だけはしないですむようにしたいです。
でも、体はおばさんになっても、心は若く!今年も趣味(美術館巡りや推し活)のために、ペース配分を考えてできる範囲で楽しみました!


11月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:490
ナイス数:104

マキとマミ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~ (MFCジーンピクシブシリーズ)マキとマミ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~ (MFCジーンピクシブシリーズ)
★3.5 試し読みが面白かったので、4巻(完結)まで読んだ。有能すぎてとっつきにくい上司が、何年も前に流行った乙女ゲーム「どき☆ジェネ」のファンだという共通点によって、意気投合する。衰退ジャンルオタクのあるあるネタがメイン。今まで仲間もおらず隠れオタクだったマキさんが、ジャンルが幅広くアクティブなオタクのマミちゃんに背中を押され、コミケに行ってみたり、自分でも同人誌を出したりと、少しずつ新しい体験をして楽しそう。マキさんの弟、弟の友人や姉もオタクで、いろんなジャンルの世界が垣間見えるのも面白かった。
読了日:11月18日 著者:町田 粥

 
いつか死ぬなら絵を売ってから 4 (4) (ボニータコミックス)いつか死ぬなら絵を売ってから 4 (4) (ボニータコミックス)
★3.5 漫画アプリで読み始めて、無料範囲が終わったので続きから電子版購入。
《清掃員バイトをしながらギリギリの生活をしている桐生一希は、小さなスケッチブックに絵を描くのが唯一の趣味。ある日、資産家で絵画コレクターの青年・嵐山透と出会い、人生が一変する》
底辺で生きてきた一希が、駆け出しのアーティストとして美術界隈に足を踏み入れる。全く違う価値観の世界に戸惑いながら、一癖も二癖もある人達と出会い、成長?していく。
一希がピュアすぎて闇堕ちしないかとかハラハラするけど、今のところ本当に真っ直ぐなまま進んでいる。業界の暗部や、透や凪森みたいな腹黒そうな人達も多くて、正直読んでいてあまり楽しくはないけど、アートに興味があるのと、一希の行く末が気になり読み進めている。4巻では、絵を買ってくれそうだった新進気鋭のデザイナー・ヒエンから購入をキャンセルされてしまう。ヒエンの背景を踏まえた凪森の戦略にしてやられるが、透も仕掛ける。その凪森から、アトリエで働かないかと誘われる一希。凪森の透への執着がヤバそうで、心配だ。
読了日:11月18日 著者:ぱらり

 
税金で買った本(13) (ヤングマガジンKC)税金で買った本(13) (ヤングマガジンKC)
★4 《ブックポストに他館の本が入っていた。双方の本を取り違えて投函されていて、利用者は返却が面倒だとごねるが…》自業自得だからね。苛立ちを職員にぶつけるのはやめてほしい。最後は謝ってくれて良かった。
《相互貸借の本を紛失され、弁済期限も超過、図書館が買って返すことに…》犯人は常習犯のアイツかぁ〜!面倒だし必要のなかった本を所蔵する羽目になるし、反省してないし、出禁にしたくなるな。
《学校対抗のビブリオバトルに誘われる石平。代表3人が必要だが図書委員の柴は嫌がっていて…》柴さんの気持ち分かる。他人の前での発表は全然別物だよね。いい発表ができて良かったし、出てくる本読みたくなった。石平君が『バッタを倒しにアフリカへ』を紹介してたの、好きな本だから嬉しかった。山田君の『いるのいないの』の発表も良かった。「[き]の書架の配架難易度をブチ上げてるヤツ!」、姑獲鳥の夏→「厚めの夏」は笑ったw
【収録タイトル】とりかへばや物語/踏み倒しの総悟/ビブリオバトルガイドブック1〜7/高校の図書室と柴さん(番外編)
読了日:11月23日 著者:系山 冏

読書メーター

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2024年9月に読んだ本

2024-11-25 | 本と漫画の話
9月に読んだ本、上げるの忘れてた。
9月を上げていなかったのに、「10月のまとめ上げないと、もう11月が終わる!!」って焦ってた。
それくらいあっという間に月日が過ぎているのだ…。

 恐ろしい。

日付を修正すれば誤魔化せるけど、自戒も込めてこのまま上げることにします。


9月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2020
ナイス数:91

狐花 葉不見冥府路行狐花 葉不見冥府路行
★4 歌舞伎のために書き下ろされた作品。そのため、話もあまり複雑ではなく、厚みも比較的薄くて、読後の実感としては短編を読んだ時くらい(当社比ならぬ京極比で笑)。妖怪は出ないけど、巷説シリーズの中編一本分くらいかな。読みやすかった。京極堂の曾祖父・中禪寺洲齋登場。事件とは無関係の謎解き役ではなく、登場人物と関連性があるのが意外性があって驚いた。 
【あらすじ】作事奉行・上月監物の娘・雪乃は、墓参の際に見かける、真紅の彼岸花を染め付けた着物を纏う美しい顔の男に興味を惹かれていた。一方雪乃付きの女中・お葉は、男を見て顔色を変え、病みついてしまう。衰弱したお葉は、近江屋の娘・登紀と辰巳屋の娘・実祢に会いたいと願う。これを知った監物は、過去の悪行と何か関わりがあるのではと疑う。監物の側近・的場は、謎の解明のため武蔵晴明神社の宮守・中禪寺洲齋を招く。彼らの周囲に度々姿を現す謎の男、萩之介は、“この世に居るはずのない男”だったー。
読了日:09月03日 著者:京極 夏彦

 
猫と紳士のティールーム (4) (ゼノンコミックス)猫と紳士のティールーム (4) (ゼノンコミックス)
★3.5 男性客来店!常連さんの上司だったか。仕事以外で職場の人と会うのは確かにしんどい。気を使ってくれる良い上司だな。カップル(未満)客も、2人の関係性と会話が面白かった。ツッコミのような言葉は棘になることもあるので、受け取り手が全く意に介してなさそうなのが絶妙なバランス。アフタヌーンティー回では、瀧さんのお兄さんの会社にパワハラ疑惑?!きっちり厳しく報告、監査依頼をするところ、会社役員としても仕事のできる人だったんだろうな。姪っ子さんも登場。二人して蘊蓄語りを始めて、戸惑うキームン君が可愛かった。
眼鏡なし&厳しい表情の瀧さんの破壊力!(ちょっとインド映画の推しの面影を見た笑)
読了日:09月03日 著者:モリコロス


了巷説百物語了巷説百物語
★4 思ってた以上に重かった(物理)。1149ページ、約1kg。腕や肩、首をやられた笑。でも巷説シリーズオールスター総出演って感じで面白かった。ただ、馴染みのキャラが何人かやられて、しんどかった。序盤は藤兵衛が又市一味を探るため過去の事件にゆかりの場所や人物を辿っていて、この流れで又市を追い詰めちゃうのかと思いきや、疑念は解けて手を引く。しかし一旦関わってしまったために、大きな争いに巻き込まれてしまう。さらに中禅寺洲斎まで登場。アベンジャーズ状態。
敵はあまりにも強大で、悪人の背後や周りにも悪人がゾロゾロ。さぞかし悪い奴らだろうと思えば、思想や理想があり必ずしも悪事を目論んでいるとは限らない者もいる。しかし目的のためには犠牲を厭わない。黒幕も、辿り着いてみれば大して悪人然ともしていなかった。でもやってきたことは悪魔の所業でしかなく、あまりにも犠牲が多すぎた。やるせない。そして推しは今回もラストにチラッとだけ。シリーズ最終作でこれはちょっと寂しかったかな。
【あらすじ】下総国に暮らす狐狩りの名人・稲荷藤兵衛には、裏の渡世がある。嘘を見破り旧悪醜聞を暴き出すことから“洞観屋”と呼ばれていた。ある日、藤兵衛に依頼が持ち込まれる。老中首座・水野忠邦による大改革を妨害する者どもを炙り出してくれというのだ。敵は、妖物を操り衆生を惑わし、人心を恣にする者たちー。依頼を引き受け江戸に出た藤兵衛は、化け物遣い一味と遭遇する。やがて武蔵晴明神社の陰陽師・中禪寺洲齋と出会い、とある商家の憑き物落としに立ち会うこととなるがー。化け物遣い、最大にして最後の大仕事が幕を開ける!
読了日:09月12日 著者:京極 夏彦


おすしが あるひ たびにでた (MOEのえほん)おすしが あるひ たびにでた (MOEのえほん)
★4 『おすしがふくをかいにきた』の第2弾。おすしが、ふるさとの「おすシティ」を目指して旅に出て、道中山登りをしたり海に行ったり、雪山でスノボしたり、砂漠で探検したり、色々な場所で色々な体験をする。ミニチュアで“見立て”た情景が面白い。今回も、おじさんと芝犬に注目!だった。
読了日:09月16日 著者:田中達也


呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校 (ジャンプコミックス)呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校 (ジャンプコミックス)
★3.5 完結間近で、本編が最新話まで数十話ずつ段階的に無料開放されていた。この作品は、中盤から登場する乙骨憂太が主人公の、本編の前日譚。本編で言及されていた「百鬼夜行」を描いたエピソード。乙骨の過去が気になり電子版を購入した。本編で、この時五条先生が夏油を殺したとあったけど、ほとんど乙骨が倒したようなものでビックリした。里香ちゃん凄いな。本編の強敵・夏油は器だけで中身は別人だから、本物はこんな感じだったのか。 
《幼馴染の「里香」の呪霊に取り憑かれた乙骨が、呪術高専に編入し、戦い方や呪霊との向き合い方を学んで成長していく。一方高専を追放された呪詛師・夏油が不穏な動きを見せ…》本編では虎杖の先輩になる、真希、狗巻、パンダが同級生。まだ3人ともそこまで強者感がなくて高校生らしいし、友情が育まれていく様子が良かった。本編は虎杖が早々に離脱して単独行動になり、学校生活がほぼ描かれずに戦いに明け暮れていったから、こういうの欲しかったな。
読了日:09月17日 著者:芥見 下々


馬刺しが食べたい (ジャンプコミックス)馬刺しが食べたい (ジャンプコミックス)
★4 食べ物の絵を描く女子と強面偏食男子の友情?ストーリー。馬刺しが食べたくなった笑。1冊で完結なので展開に駆け足感はあったけど、その分まとまりも良く、面白かった《何気なく描いた「馬刺し」の絵が絵画展で大賞を取ってしまい、校内に飾られ「馬刺しの人」として知れ渡ってしまったかえで。その絵を周囲から恐れられている強面の竹内が見つめていた。後日竹内に呼び出されビビりながら会いにいくと、意外な依頼を受ける》 
恥ずかしい、もっとちゃんとした絵でバズりたかった、と後ろ向きだったかえでが、絵を褒められ感謝される体験を通して、自信をつけ、目標も見つける。家族思いで努力家な竹内も好感が持てる。2人の関係性を、安易に恋愛で落とさないのも良かった。/作画もユニーク。かえでは可愛い顔なのに、頻繁に二重顎の変顔になる。電子版だとかえでの作品が要所でカラーになっているのもインパクトがあった(紙の本もそうなっているかは不明)。
読了日:09月22日 著者:桜井 さよる


呪術廻戦 コミック 1-28巻セット呪術廻戦 コミック 1-28巻セット
★3.5 連載が完結間近となり、無料開放キャンペーンで読んだ。以前読んだ時は序盤で脱落したけど、再チャレンジ。無料にならない245話以降は課金して(定期購読1ヶ月分)最終話まで読了。「術式」やら「領域」やらの理屈が難解で直感的に理解できないのがちょっと苦痛だけど、スピード感がある展開なので、ややこしい所は気にしないで雰囲気だけ掴んで読み進めるようにして、なんとか付いていけた。以下ざっくりとした感想(ネタバレ注意) →
脹相が好きだな。やっぱりお兄ちゃんキャラに弱い/羂索の最期そんなんでいいんか?(困惑)/宿儺の最期≒無惨様/シリアス展開中にブッ込まれるギャグ展開(相撲とか漫才とか)の高低差がエグい。「一体何を読まされているんだ?」って宇宙猫になる。バトル漫画でもコミカルな展開はあるけど、基本日常回であって、戦いの真っ只中、しかもキャラが劇的な成長を遂げる場面や、強敵を倒す場面など、普通なら格好よく痺れる展開にするであろう、とんでもないタイミングで投入される。急にシュールな夢でも見始めたのかと思う。
→術式だの領域だの難解な世界観を構築し、エグいほどの鬱展開を見せつけておいて、突然重要な場面でアホみたいに外してくる。キャラによっては術式や存在自体がギャグ漫画みたいな、場違いでふざけてるとしか思えないようなのもいる。でもそれが効果的に使われてたりする。このセンスは唯一無二かもしれない。(好みは分かれそうだけど、ハマると癖になるのかも)

読了日:09月24日 著者:芥見下々

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2024年10月に読んだ本

2024-11-24 | 本と漫画の話

これをまとめている現在、すでに11月も後半に突入していて、もはや年末の雰囲気。
1年が早い早すぎる。


10月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1074
ナイス数:70

もののけdiaryもののけdiary
★4 京極夏彦(文)石黒亜矢子(絵)で、『稲生物怪録』をベースにした物語絵本。次々と怪異が起きる家で30日を過ごした平太郎の話。何が起きても全く動じない豪胆な平太郎が、キリッとした美少年に描かれていて、なんか良い。怖がるでもなく、退治しようと意気がるでもなく、ただ迷惑してる感じが面白い。無視して寝てしまったりする。本の作りも凝っていて、右ページがさらに開いて、3ページ分の横長画面になるので、絵巻物の雰囲気が味わえる。漢字にはふりがながふってあるけど、文章自体は長めで文字も小さめ。 
3年生の姪っ子に見せると、1人で読めたし面白かったらしいです。
読了日:10月03日 著者:京極夏彦

 
病葉草紙病葉草紙
★3.5 真実を表沙汰にするには差し障りのある事件を『針聞書』(病は体の中で虫が悪さをすると考えられ、その治療法を記した書物)に出てくる虫になぞらえて解決する連作短編。京極堂でいう妖怪の役割を虫に置き換えた筋立て。
《隠居した父の代わりに長屋の差配をする藤介。店子の1人、本草学者の久瀬棠庵は、ほとんど外に出ず書物机の前から動かない。棠庵の生存確認のため様子を見に行くのが藤介の日課。長屋や周辺で起きた事件や厄介事について話すと、棠庵は原因は虫だと言いーー》 
長屋が舞台だからか、比較的ライトな話が多かった。棠庵は京極堂に似たところがあるけど、人の心の機微に疎い。心の動きを知識として知ってはいるが理解はしていない、まるでロボットのよう。言葉も額面通りにしか受け取らない。藤介は逆に人の顔色を読んで波風を立てないよう立ち回るタイプ。徐々に藤介が棠庵の癖のある人柄を理解していくのが分かって面白い。最終話はなんと藤介が問題を解決する。これは斬新だった。
読了日:10月15日 著者:京極 夏彦

 
折り紙キャッツ&ドッグス プレミアム折り紙キャッツ&ドッグス プレミアム
★4 Xで見かけた「つままれる猫」を作ってみたくて、図書館で借りた。どれもリアルで難易度高め。手始めに最初に出てくる「おすわりネコ」(難易度2)にチャレンジしたけど、これですら四苦八苦して、なんとか完成。目当ての「つままれにゃんこ」は難易度4なので怯んで、もう1つ難易度2の「白黒ネコ」にチャレンジするも、仕上げの手足の先でギブアップ。返却期限が来たので、つままれ猫はチャレンジすらできず終わった。いつかリベンジしたい。 
失敗の敗因は、一般的な折り紙(15×15cm)でやったことかな。折り方のページに、それぞれ推奨サイズが書いてあり、小さいものでも25cm四方、大きいものだと45cmの紙推奨だった。次は大きい紙を用意して挑みます。
読了日:10月20日 著者:山口 真

 
女の園の星 4 (フィールコミックス)女の園の星 4 (フィールコミックス)
★4 今回も笑った!特に先生たちが卒業アルバム用の写真を撮る話。真珠と肩パッドwww数学科の3人並んだところwwwあと眼鏡を買いに行く話。酔って買っちゃった星先生の予備の眼鏡、よくこれで出歩く気になったなwww、眼鏡店員として有能な古森さんのお兄さん(通りすがり)。お兄さん、仕事はちゃんとできそうなのに、なぜ無職なのだろうか。この話では中村先生が一番常識人に見えてくる。そういえば星先生は眼鏡買いそびれてたけど、買い直すまで、あの眼鏡で過ごしたのだろうか。
読了日:10月21日 著者:和山やま

 
葉っぱ切り絵いきものずかん葉っぱ切り絵いきものずかん
★4 葉っぱ切り絵の作品集。図鑑のように、海や森、水辺、空などのジャンルに分けて動物をモチーフにした物語風の葉っぱ切り絵を掲載している。まるで絵本の場面のような、可愛らしくてほっこりする絵柄で、癒される。細部は驚くほど緻密で繊細。繊細な細工の部分と葉っぱとして残された部分、大きく切り取られた空間などの構成やバランスがセンスあるなぁと思う。
先日念願の作品展にも行ってきたけど、やっぱり実物はさらに凄みがあった。簡単にポロッと折れちゃいそうな極細の線で繋がっていたりする。どれだけ集中力のいる作業だろうか。気が遠くなりそう。超絶技巧。
読了日:10月26日 著者:リト@葉っぱ切り絵

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2024年8月に読んだ本

2024-09-13 | 本と漫画の話

8月も漫画しか読んでなかった…

暑かった(現在進行形)ことしか記憶にないくらい暑さにやられてました。
夏を乗り切れれば万々歳。


8月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1268
ナイス数:98

税金で買った本(12) (ヤングマガジンKC)税金で買った本(12) (ヤングマガジンKC)
★3.5 読書感想文とパン神にまつわる話の続きから。ぱーんちゃんの中の人は、特に何か因縁があるわけではなく、単に横の繋がりで石平君を知ってただけの、高校の司書さんだった。石平君が見てた夢?幻覚?のぱーんちゃんが不穏なだけだったのか。突然のエログロな表現に驚く。なんで幻覚?なんだろうなぁ。その件含めて最後はサラッと済まされてしまった。長く続いたエピソードだけに、ちょっと消化不良。/ここの図書館はレシートが出るんだなぁ。借りた本と期限とか印字されてるのかな。スクラップしたら読書記録として使えそうでいいな/凝った装丁の本のブッカーかけ、確かに難儀だ。工夫してカバー裏とかが見えるようにしてあると、すごく嬉しい。大体帯は外されてるけど、最近は帯もデザインの一部になってたりするから難しそうだな/休日の白井さんの一日。私も基本月曜日休みだからめちゃくちゃ共感した。 
《学校図書館第234号/かんたんリサイクル工作/調査と分析がわかる本/泊まりたい人気の宿BEST100/戦後日本の出版史第一巻/第二巻/私の顔は誰も知らない/週休二日制と公立図書館職員/高校の図書室と白井くん》タイトルが実在の書名になってるけど、最近はその本が登場しない話も結構あるな。
読了日:08月10日 著者:系山 冏
 

ミステリと言う勿れ (14) (フラワーコミックスα)ミステリと言う勿れ (14) (フラワーコミックスα)
★3.5 妻の実家へ向かっていた池本はトンネルの崩落事故に遭遇。中に人が残っていないか確認に入り、入口側も土砂で埋まって閉じ込められてしまう。中には数名の生存者。さらに射殺された死体を発見。生存者の中に、銃を持った殺人犯が?整君ならどう見るか?と思考を巡らせる池本。エア整が案外効果的/「幕の内」刑事の乙部さんの話。いるよね悪気なく言っちゃダメなこと言う人。そんな日常回かと思いきや、結構重要な絡みが。乙部さんが鳴子と接触!さらに整君とも!そして喜和さんと姉弟という衝撃の事実。さらにガロ君まで!情報量!/整君が誕生日と知ったライカさんの提案で、ケーキを買って、整の大学へ。そこで過去に起きた事件が話題に。当時を知る守衛さんから話を聞き、さらに詳しい話は、天達先生(死んだ2人の同期)が知っているという。/気になるところで次巻へ。鳴子は天達先生の教え子だというし、色々繋がってきた?
読了日:08月14日 著者:田村 由美

 
三島屋変調百物語 1 (BRIDGE COMICS)三島屋変調百物語 1 (BRIDGE COMICS)
★4 宮部みゆきの三島屋シリーズのコミカライズ。原作が好きで、漫画化してると知り読んでみた。絵も綺麗で、ストーリーもうまく纏めてあって、読みやすい。1作目を読んだのは随分昔(2009年に再読したらしいので、初読みはもっと前)で、内容はほとんど覚えていなかったため、初めて読んだくらいの新鮮さで読んだ。
《事情があって叔父の店「三島屋」で暮らすおちか。ある時叔父の名代として客人をもてなすことに。その客は庭に咲く彼岸花を見て顔色をなくし…。彼岸花にまつわる身の上話を聞くことになるおちか》
1件目のあと、叔父は黒白の間で不思議な体験談を聞き集めるという趣向を思いつく。聞き手はおちか。過去につらい経験をしたおちかが、似たような体験をした人達の話を聞くことで、過去と向き合い、心の整理をつけ、立ち直るきっかけになるのではないか、という叔父の計らい。こうして百物語収集は始まった。2人目は怪しい屋敷と鍵に関わることになった錠前屋一家の話。/この一大シリーズをコミカライズとは、果てしないなと思ったけど、1冊目でおちかの過去は確か一区切りするし、そこまでで終わるのかもな。
読了日:08月16日 著者:宮本 福助

 
三島屋変調百物語 2 (BRIDGE COMICS)三島屋変調百物語 2 (BRIDGE COMICS)
★4 錠前屋一家の話の続きから。《屋敷に1年住めば百両やると言われ、一家はその屋敷に移り住むことに。何事もなく無事1年が過ぎた、と語り終えた女。お化け屋敷なのに何もない?不審がるおちかに、女は怪しく笑いながらその屋敷へ来いと誘う。そこへ…》錠前屋の親方の孫から聞く一家の話は、女とは違う結末だった。結局真相は分からずじまい。しかも屋敷は焼けてなくなったのに、まだ人を誘い込もうとしている。恐ろしい。
《おしまを聞き手に、おちかは過去を語る。旅籠を営む実家で、松太郎という男の子を助け、引き取って一緒に育ったこと。波之家の息子・良助との縁談が来たが、放蕩息子を理由に断って揉めたこと。腹いせの陰口に対し「松太郎と所帯を持てばいい」と吹聴する両親や兄。結局心を入れ替えた良助と再び縁談がまとまり…》家族同然と言いながら、恩をたてにした飼い殺し状態だった松太郎。自立することも叶わず、都合のいい時だけ“家族”扱い。一家に悪意がないのもたちが悪い。鬱屈していくのも分かる。そして悲劇が起きた。
読了日:08月16日 著者:宮本 福助

 
三島屋変調百物語 3 (BRIDGE COMICS)三島屋変調百物語 3 (BRIDGE COMICS)
★4 おしまの紹介で4人目の語り手・福が鏡にまつわる話を語る。《療養のため17まで離れて暮らしていた7つ上の姉が帰ってきた。初めて会った姉は美しく優しい人。そして道を踏み外した姉と兄。露見して自殺した姉の形見の鏡が、更なる悲劇を招く》話を聞いた叔母さんの感想が良かった。濡れ衣を着せられ死んだ奉公人の宗助や、鏡に囚われた嫁のお吉、彼らのことは誰も気にかけないのか。確かに、何の罪もなく巻き込まれて、本当の悲劇はこの2人だ。
《兄・喜一がおちかを訪ねてくる。久しぶりの再会を喜ぶ2人だったが、変わり百物語のことを聞いて顔色を変える喜一。兄がおちかの様子を見にきたのは、実家で異変が起きていたからだった。松太郎の亡霊が姿を現すようになったのだ》
読了日:08月16日 著者:宮本 福助
 

トラとミケ: たのしい日々 (6)トラとミケ: たのしい日々 (6)
★4 町内会&敬老会会長の健一郎とカツ子は鴛鴦夫婦。亭主関白な健一郎に常に寄り添うカツ子。人助けが好きな健一郎は、行方不明の男の子探しに町内の仲間と奔走したことをきっかけに、トラとミケの店を拠点にしたよろず困りごと承り所を開設する。子どもを預かったり、仲間内の家庭の問題を解決したり、悩み相談を受けたりと、活動は盛り上がっていた。ところがある日健一郎がオレオレ詐欺に引っかかってしまう。息子と喧嘩になり、止めに入ったカツ子が倒れてしまい…》切ないなぁ。人助けばかりで家族を後回しにしてきた健一郎。でも奥さんのことが家族との関係を見直すきっかけになって、これからは家族第一に。手遅れにならなくて良かった。/合間に挟まれたレイちゃんの話も良かった。
《喫茶店で働くレイは、28才の今でも父親と月に数回映画を見に行く。お見合いの話が来て、気がすすまないながらも両親のすすめで一度会うことに》幸せな家庭を築いてほしいが寂しい、という複雑な父親の心境。相手は良さそうな人だけど、仕事人間。父も娘も、ちゃんと人を見ている。いいお父さんだ。
読了日:08月18日 著者:ねこまき (ミューズワーク)

 
矢野くんの普通の日々(8) (モーニングKC)矢野くんの普通の日々(8) (モーニングKC)
★3.5 バレンタインの一件からギクシャクする泉さんと羽柴君。羽柴君自分の恋愛には鈍いな/塾で絆創膏をくれた子、同じ学校だった!寺井さんも矢野君と似た体質なのが判明し、盛り上がる2人。これは清子ちゃん嫉妬する?と思いきや、まさかの寺井→清子!矢野君が嫉妬することになるとは/ホワイトデー、お返しの袋がサンタみたいな羽柴君さすが。泉さん、先回りしちゃって、うやむやに。/進路について。どの親も子どもの意思を尊重してていいな、と思ったら、寺井さんち…/意外にも人気者の寺井さんに矢野君困惑。周りに人がたくさんいても、満たされていないんだな/ついに2年生も終わり。そしてクラス替え。矢野君と清子が別々に!
読了日:08月19日 著者:田村 結衣

 
おじさまと猫(13) (ガンガンコミックスpixiv)おじさまと猫(13) (ガンガンコミックスpixiv)
★3.5 おじさまから辛辣なセリフが出てくるようになってきた。我を出せるようになってきたってことかな《妻のためにピアノを弾きたいという小林に特訓/日比野からマリンを預かる。おやつのあげすぎで超肥満体のマリンを少しでも痩せさせたいが/森山のバンドメンバーが2人辞退し、契約解除の危機。神田も奔走するが…/神田の前に現れたのは、ライブ当日舞台に森山を置き去りにしたメンバーの一人、伊吹/顔合わせに集まった、森山、伊吹、星鳴が見つけた花野。森山が見つけた残る一人は、九重輝明だった。顔色を変える星鳴》
読了日:08月20日 著者:桜井海

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2024年7月に読んだ本

2024-08-22 | 本と漫画の話

なんと7月は1冊しか読メに登録していませんでした。
電子書籍の漫画は色々読んでいたのですが、記録しきれていません。
猛暑で図書館にも足が遠のきがちで、紙の本は全く読めませんでした。
活字の本自体、読む数が激減しています。
面白い本はたくさん出ているんだろうけど、なかなか食指が動かなく・・・


7月の読書メーター
読んだ本の数:1
読んだページ数:192
ナイス数:87

葬送のフリーレン (13) (少年サンデーコミックス)葬送のフリーレン (13) (少年サンデーコミックス)
★4 グラオザームの精神魔法にかかってしまったヒンメルとフリーレン。ヒンメルの願望〰〰〰!!しかしこんな場面でも冷静に状況を把握する二人、さすがだ。ヒンメルの凄さ(ハイターやアイゼンも)を実感した。そりゃこのパーティなら魔王倒せるわ。フリーレンの思い出の中じゃない生きた三人の姿が拝めて感動した。/「お陰でとても良い夢が見れた」のヒンメルの表情…/元に戻って旅の続き。ヒンメルが石碑に魔法の名前を記しに来た時のことを知る人に話を聞くことができたのが嬉しい/別人のようなヒンメル像。英雄の姿や逸話が変容していく。寂しいけど、魔王を倒した事実は変わらない/城砦跡で出会った上半身裸の男は、城主の末裔で、城の隠し財産探しに協力する。アルメーさん、いいキャラだ/シュタルクの誕生日。本当シュタルクはいい奴だ。勇者の振る舞いだよ/影なる戦士。なぜフリーレンが狙われるんだ恐ろしい。彼の存在も任務も、もはや忘れられたのでは/一級魔法使いの任務でゼーリエの護衛に駆り出されるフェルン。別動隊でラントとユーベルが再登場。帝国と大陸魔法協会、それぞれの思惑で色々な動きがあって不穏。
読了日:07月22日 著者:

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2024年6月に読んだ本

2024-07-12 | 本と漫画の話
瞬く間に1年がもう半分過ぎてしまっていたことに慄きます。
漫然と日々過ごしてしまって、これでいいのかとも思いますが、推し活とか大体楽しく過ごせてはいるので、この年になってくると、身の回りに大きな問題がなく無事過ごせていればヨシ!と思うようにしてます。

 


6月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1115
ナイス数:60

夜は猫といっしょ 6夜は猫といっしょ 6
★4 今回もキュルちゃんが可愛くて良かった。猫の動きやポーズの描写が、かなりデフォルメされてるのに、再現性が高くて好き。あっという間に読み終わってしまって、それが物足りないくらい。先輩の猫さん達がまた可愛かった!特に人懐っこい三毛ちゃん!腕に巻きついてくる描写が好き!本当に巻きついてるwのに、実際確かにそんな感じになるの、めっちゃ分かる!すごいw
表紙の書影と、実際の本で、魚の蹴りぐるみの色が違うの(青と赤)、なんでだろう?
読了日:06月03日 著者:キュルZ


向ヒ兎堂日記 (1) (BUNCH COMICS)向ヒ兎堂日記 (1) (BUNCH COMICS)
★4 全話無料期間に最終話まで読了。
《文明開化を迎えた明治時代、『違式怪異条例』が施行され、怪談や妖怪にまつわるものは厳しく取締られていた。妖怪が見える兎崎伊織は、それらの本を密かに収集する貸本屋「向ヒ兎堂」を営み、化狸の千代や猫又の銀らと暮らしていた。そこへ妖怪達が悩み相談に訪れ始め…》
最初はほのぼの妖怪ものかと思っていたら、伊織の赤い目の謎とか、陰陽師とか鬼とか、怪異取締局内での陰謀や対立があったり、ちょっと不穏な感じも孕みつつ、それほどダークすぎる展開にはならずに大団円。キャラも可愛くて面白かった。
読了日:06月11日 著者:鷹野 久


3月のライオン 17 (ヤングアニマルコミックス)3月のライオン 17 (ヤングアニマルコミックス)
★4 二階堂戦続きから。誰もが驚く奇策に出た零に対し、振り回されまいと堅実に自分の将棋をさす二階堂。意図が読めず周りが戸惑う中、盤上で跳ね回るような手を次々繰り出す零を「ジャックラッセル」は言い得て妙。ジャックラッセルの出番多すぎて面白いw そしてこの熱戦からの「心友」は今さら?!って感じで驚く。友情がここにきてこんな盛り上がり方をw
あかりさんの食に対する愛情と熱意がすごいwおやつの出前が出張販売になり周りもどんどん巻き込んで凄い展開に!さらに叔母さんのバーでも電気圧力鍋導入→各種煮込み料理が炸裂!
島田さんは後輩に慕われて振り回されてるけど、そのおかげで暗い方へ引っ張られないでいるんだろうな。苦労人だから報われてほしい。手放したものが気にならなくなるくらい、幸せを掴んでほしい。この世界の棋士達は、みんな重くて暗いものを背負っていて、不幸でなければ強くなれない縛りでもあるのかって感じだけど、零君しかり、強いまま幸せになってもいいはずだ!
読了日:06月21日 著者:羽海野チカ


バッタを倒すぜ アフリカで (光文社新書 1305)バッタを倒すぜ アフリカで (光文社新書 1305)
★4.5 『バッタを倒しにアフリカへ』の続編!前作では論文発表前のため書かれていなかった、研究の全貌も明らかに。軽やかな文体で、専門的な研究の内容も分かりやすく理解できたし、拠点とするモーリタニアや、モロッコ、アメリカ、フランスとあちこち飛び回る先々での研究や交流の日々、さらにはお馴染みの運転手兼サポート役のティジャニに関する単独の章まで笑。面白すぎる!
一方、有名税に関する話では、この著者ですらメンタルをやられるほどなのかと心配し、メインの論文が発表されるまでの苦心惨憺の日々が語られる章では、なかなか出口の見えない状況に息苦しくなるほど。そんな10年にわたる研究がやっと結実し、認められて、名誉ある賞もいくつか受賞し、本当に報われて良かった。
それにしても、お金(主に印税)の使い方が太っ腹というか丼勘定というか軽率というか、人のためにと差し出した数十万数百万の大金が、浪費されたり盗まれたりよく分からないものに使われたりで消えて行ってしまう。著者もお金には苦労しているのに、気前が良すぎないかと不思議だったけど、「良いお金の使い方をすると、巡り巡って戻ってくる」とあって、確かに著者が大金を出すのは全て信頼する人やこれまで助けてくれた人達のためで、彼らに喜ばれて、もっと強い絆に繋がるのはプライスレスだし、受賞したり印税が入ってくるのもそういう人の縁で得たもののおかげということなんだな、と納得。徳を積んでいたんだ。この先研究が順調に進んで、素晴らしい成果を上げられるよう、大事な場面でたくさん彼のもとに幸運が返ってきますように。
読了日:06月22日 著者:前野ウルド浩太郎

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