日々茫然

猫・本・アート・日常生活などを、つれづれと思いつくままに記録

2019年9月に読んだ本

2019-10-04 | 本と漫画の話

9月、秋のはずがめちゃくちゃ暑い1か月でした。

美術館では芸術の秋とあって、魅力的な展覧会はこの時期に多いです。
私もちょっと無理して、
▶京都(美術館KYOTOえき「ショーン・タンの世界展」+龍谷ミュージアム「日本の素朴絵」+京都水族館)三館ハシゴ日帰り強行軍
▶県北(奥田元宋・小由女美術館「ヒグチユウコ展」+三次もののけミュージアム)
に行ったりしました。
体力がないので、遠出のあとは当分体のあちこちが痛くヨレヨレで過ごしました汗

 



9月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:2499
ナイス数:165

拝み屋異聞 田舎怪異百物語 (イカロスのこわい本)拝み屋異聞 田舎怪異百物語 (イカロスのこわい本)
★4 宮城の田舎で拝み屋を営む著者が見聞きした、「田舎」を舞台にした怪異を紹介しつつ、「旧青木邸」で毎年行われた怪談会の様子やその時語られた話が差し挟まれ、全部で百話の百物語になっている。時々ぞっとするような話もあり、また青木邸の話も終盤に向けて盛り上がり、満足感のある怪談集だった。青木邸の怪談会では、何かちょっとした怪異が起きたり起きなかったりで淡々としていたのに、終盤に意外な事や認識されていなかった怪異が判明し、その要因まで解明される。
神仏の怒りに触れる話が色々あったけど、賽銭泥棒しようとしてバチが当たる話、怖くて結局思い留まったのに、その後も狛犬に遭遇する度に睨まれるって、ちょっと気の毒。それなら全国の賽銭泥棒や仏像盗むような輩も大バチが当たってもいいのに。

読了日:09月08日 著者:郷内 心瞳
 
ジョゼフのにわ (1971年) (オックスフォードえほんシリーズ〈14〉―チャールズ・キーピング作品集)
ジョゼフのにわ (1971年) (オックスフォードえほんシリーズ〈14〉―チャールズ・キーピング作品集)
★3.5 『あやしい絵本』に載っていて気になったので。お話自体は他愛ないめでたしめでたしな話なんだけど、キーピングの絵が怖すぎる!ジョゼフの顔が特に怖い。ホラー。デッサンはリアルだけど、画面を有機的な模様が埋め尽くし、全体的にはすごくアーティスティック。でもやたら怖い。病んでる感じがする。花や動物達の絵はとても好きな感じなんだけど、人の表情だけなぜこんなに怖い描写なのだろう。
読了日:09月08日 著者:チャールズ・キーピング
 
うめじいのたんじょうび (講談社の創作絵本)
うめじいのたんじょうび (講談社の創作絵本)
★3.5 《今日はうめじいの誕生日。漬物達はうめじいがものすごく長生きらしいと噂する。一体何歳になったか気になるが、「トーテンポー」「ウッスラペン」と言葉が通じない。漬物石のじいちゃんに通訳してもらおうとするが…》
ほのぼのナンセンス絵本。かがくいさんの絵本はやはり絵も話も絶妙ないい味出してる。

読了日:09月08日 著者:かがくい ひろし
 
斜め下からカープ論 (文春文庫)
斜め下からカープ論 (文春文庫)
★4.5 ネットのコラムで時々目にしていたオギリマサホさんのカープコラムが本に!ユニークな視点と語り口、写実的なのにしっかり個性的な似顔絵もいい。まとめて読んでも飽きずに手が止まらず一気に読みきった。面白かった。イラストもカラーで収録されていて、カープカラーの赤がくっきり映えるのが嬉しい。丸の話は…似顔絵が特に似ているだけに、なんとも言えない微妙な気持ちになったけど(苦笑)。オギリマさんがまだマツダスタジアムに行った事がないというのは意外だった。いつかぜひ現地観戦して、その感想も読ませて欲しいな。
読了日:09月09日 著者:オギリマ サホ
 
県民性マンガうちのトコでは6
県民性マンガうちのトコでは6
★3.5 今回は長編シリアス漫画はなし。その代わり「ふるさと創生1億円事業」の話と、「みんなでガンを考えよう」、オマケ漫画「淡路の銘菓めぐり」があった。ボリュームはすごかったけど、長編漫画がなかったので、ちょっと物足りない感じだったかな。全体的に県民性あるあるもネタが出尽くしてきたのか、マニアックというか細かい部分を探しているであろう苦心が見える。広島関連では、岡山にライバル視されてる話と、カープネタが増えてる感じ?
読了日:09月15日 著者:もぐら
 
サブマリン (講談社文庫)
サブマリン (講談社文庫)
★4 『チルドレン』の続編。前作を読んだのが随分昔なので内容を覚えてなくて、本作を読むのにはほとんど支障はなかったものの、ちょこちょこ気になるエピソードがあったので、再読しないと。少年犯罪における罪の重さと処分のバランスの問題とか、善悪とか、処罰感情とか、因果応報にならない世の中の理不尽とか、価値観を揺さぶられるような悩ましいテーマはあるけど、最低な悪人がほぼ登場しない伊坂作品が久しぶりで、比較的穏やかな気分で読めた。若い頃は疾走感やドキドキ感のある作品に惹きつけられていたけど、こういうのもいいなぁ。
【あらすじ】無免許運転で死亡事故を起こした19歳の少年は、過去に同様な事故で家族を亡くしていた。あちこちに脅迫文を送りつける事件を起こした15歳の少年は「ネットの犯行予告の真偽が分かる」と話す。家裁調査官の武藤は、担当した少年達の言動に、いやそれ以上に傍若無人な上司・陣内の言動に頭を悩ませていて…

読了日:09月16日 著者:伊坂 幸太郎
 
まめねこ あずきとだいず
まめねこ あずきとだいず
★3.5 『ねことじいちゃん』が好きでこちらも読んでみた。もしかしてと思ったけど、1巻は持ってた…。ねことじいちゃんの方が好みで、こっちはいいや、ってなったんだった。お母さんが猫嫌いなうえ、引き取った張本人を筆頭に他の家族もそれほど猫達に興味無さそうなのが微妙だったんかな。と言っても、露骨に嫌ってるのはお母さんだけで、他の人は良くも悪くも猫に構わない性格というか。嫌いではなく満更でもないけど、ベタベタせず好きにさせてる感じ。でもだからか、人と猫の心が通い合ってないので、読んでてちょっと物足りない。
読了日:09月16日 著者:ねこまき(ミューズワーク)
 
「ちゃんとしなきゃ!」をやめたら 二度と散らからない部屋になりました (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
「ちゃんとしなきゃ!」をやめたら 二度と散らからない部屋になりました (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
★3.5 元々片付けられない人だった著者が、考え方を変えて工夫することで片付けられるようになった経験をもとに、友人2人の部屋の片付けを手伝った事例を漫画化し、どうやったら片付けられるようになるか、をレクチャーした本。友人の部屋ほどじゃないけど、うちも本を中心に物が増えるばかりなので、「分かる…」と共感すること多数。確かにキチンと収納しようとすると続かない。考え方は真似したいと思った。ただ、実践するには一度全部出して分類し直す必要があり、それがかなり時間的にも精神的にもハードル高いんだ…。
読了日:09月20日 著者:なぎまゆ
 
広島妹 おどりゃー! もみじちゃん!! (1) (角川コミックス・エース)
広島妹 おどりゃー! もみじちゃん!! (1) (角川コミックス・エース)
★3 広島あるある漫画。親の再婚で義兄妹になった広島の女子中学生と東京の男子高校生が主人公。方言など育った土地の違いによる誤解→理解がメイン。萌え系の絵柄やベタベタな少女漫画的ストーリーに拒絶反応が出て気分的に萎えながら読んでたけど、福山出身の女の子が登場して安芸と備後の違いなどより細かくネタに広がりが出てきてからは少し落ち着いて付いていけるように。あと枠外の解説が情報が古かったりズレてたりすると思ったら、巻末に「編集部が付けたもの」と説明があり納得。2巻はカープ編というので、もうちょっと読んでみるかな。
読了日:09月20日 著者:つくしろ 夕莉
 
ちびねこのチュチュと、スプーンのあかちゃん (えほんのぼうけん)
ちびねこのチュチュと、スプーンのあかちゃん (えほんのぼうけん)
★3 牧野千穂さんの挿絵目当てで。絵は可愛い。
《ちびねこのチュチュがピアノを弾いていると、とかげのウィルフレッドが来て「スプーンの赤ちゃんを見に行かないか?」と誘われ、二人で見に行くと…》
スプーンって名前かと思ったら、本当にスプーンだった笑。物に子供が生まれることや場面転換の唐突さなど、なんだかシュールで掴み所のない話だった。語り口が普通なので読んですぐは気付かなかったけど、この‘変さ’はマザーグースっぽい所があるかも?

読了日:09月21日 著者:二宮 由紀子
 
シーソーモンスター (単行本)
シーソーモンスター (単行本)
★3.5 バブル期を舞台に、ある秘密を抱える嫁姑が対立する『シーソーモンスター』/近未来、手紙を託された「配達人」が巨大な陰謀に巻き込まれる『スピンモンスター』の2編。どちらも人には“山の者”と“海の者”がいて、会うと必ず対立し争いが起きる、という因縁が軸にあり、登場人物の繋がりも少しある。前者が割と軽妙な展開で、結末もほぼ想像できるライトなミステリーといった感じだったのが、後者ではゴールデンスランバーやモダンタイムスのような陰謀に翻弄される活劇に。中編なので少し消化不良はあるけど合わせ技で一本かな。
読了日:09月25日 著者:伊坂 幸太郎
 
かわいい美術に会いに行こう
かわいい美術に会いに行こう
★3.5 かわいい美術の紹介かと思ったら、かわいい美術作品のある“美術館”の紹介がメインだった。だから「会いに行こう」なのか〜。しかもほぼ東京近郊なので「いいなー」と眺めるのみ。基本見開き2ページでその館にあるかわいい作品3〜4点を紹介して、次の見開き2ページで美術館の施設を紹介。1館で見開き2ページのみの所も。全体的に美術館ガイドがメインで作品の紹介数が少ないせいか、「かわいい」の範疇が広くてピンと来ない作品も多いせいか、読んでて実際に「かわいい!」と思う箇所が少ないので、物足りなく感じた。
美術館に馴染みのないライト層に「かわいい美術もあるよ?」と働きかけるにはこのくらいの緩さがいいのかもな。ところで表紙などに登場してる足長や頭長キャラ、元になった作品が登場するのかと思ったら出てこなかったのだが…?既視感はあるから何の作品か気になる!!

読了日:09月27日 著者:
 
夢中さ、きみに。 (ビームコミックス)
夢中さ、きみに。 (ビームコミックス)
★4 ツイッターで流れていたのをたまたま読んで、面白そうだと思ったら重版待ちの状態だった。やっと本屋で見つけたので購入。ちょっと変な男子学生達が主人公の連作短編。メインは林&江間、二階堂&目高。変人、奇人とそれを観察する人の組み合わせ。観察する側も割と変人だし、かけ合いが面白い。何となく絵柄とか雰囲気が初期の佐々木倫子っぽくて好き。『走れ山田!』だけはイジメが胸糞なのでラストはもう少し明確にスカッとさせて欲しかった。
ところでこの表紙絵は誰なんだろう?登場人物じゃないような。この表紙絵が微妙でもったいない気がする。ツイッターで知る前に書店に並んでるのを見た記憶もあるんだけど、半開きの口元とか汗ばんでる所とか微妙に不快感があって手が出なかった。購入後の今でも、本編はすごく気に入ってるけど、表紙は好きじゃないなぁ…。

読了日:09月30日 著者:和山 やま

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