日々茫然

猫・本・アート・日常生活などを、つれづれと思いつくままに記録

『とるこ日記』 定金伸治・乙一・松原真琴

2006-08-23 | 本と漫画の話


正式タイトル『とるこ日記 “ダメ人間”作家トリオの脱力旅行記』

自称「半ひきこもり」の若手作家3人が事前準備も計画性も確たる目的もなく、未知の大地・トルコへ旅だった!誤りマシーン(定金)&ミスター湿ったシャツ(乙一)&ジャージっ子(松原)は、イスタンブール、パムッカレ、カッパドキア、エフェス…etc.で何を見た!?WEB連載で大好評を博した「役に立たないダメダメ珍道中記」。
※以上引用です。

 私、海外旅行経験0、国内旅行もめったに出かけない究極のインドア派ですが、わりと紀行エッセイが好きです。
椎名誠の『怪しい探検隊』シリーズから沢木耕太郎『深夜特急』まで、読んで行った気になる安い人間です。
特に“珍道中”系が好き。

この本は、最近人気があるらしい乙一氏の本が読んでみたくて、図書館で検索したら出てきました。
小説の方はほとんど貸出中&予約待ちでした。
でもこの本の “ダメ人間”作家トリオの脱力旅行記 というフレーズがかなり魅力的で、借りてみました。

面白かったです。
本文を定金さんが書き、その中のキーワードに乙さんと松原さんがツッコミや補足の文章を入れる形でできています。
慣れるまでこの形がちょっと読みづらかったですが。

名所旧跡の紹介などほとんどない、ユルユルのどうでもいいようなボケとツッコミ話ですが、このユルさ加減が、暑くてあまり脳みそを使いたくないこの時期にうってつけで楽しめました。
人見知りをして現地の人や同宿者との交流も極力避け、道中の心配事は洗濯したパンツが翌朝までに乾くかどうか。費用節約のために宿はほとんど3人一部屋。(松原さんは女性です)会話の内容も“タモリさんの偉大さについて”など、旅先でなくてもいいバカ話ばかり。
編集者もつかないこんな3人で、よくぞ無事に帰ってこれた…

海外旅行の醍醐味とか全く無関係、まさに珍道中。私のツボにはまる本でした。
“ミスター湿ったシャツ” て。(笑)

カラー写真ページの「旅行中、最も心が和んだ光景」の写真に、私も和みました
石の細ーい尖塔みたいなのの影に、猫が入って涼んでるんです。1匹がギリギリ入る幅。太陽の移動とともに、猫もジリジリ移動するんだろうなぁ…

好みは分かれると思いますが、ユル~いのがOKな方は、読んでみてはいかが?
コメント (2)
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