日々茫然

猫・本・アート・日常生活などを、つれづれと思いつくままに記録

かもめ食堂

2006-08-02 | 映画の話
今日は映画がレディースデーで1,000円なので、「パイレーツ・オブ・カリビアン」を見に行こうと思って、出かける前に近くの映画館の上映スケジュールを検索しました。
そしたら映画の一覧に「かもめ食堂」を発見。
そういえば、小林聡美さんやもたいまさこさんが出てて、面白そうだと思ってたんだよなぁ…
と、上映予定を見ると、今週金曜までで日中の上映はなくなって、以降夜19時からの1回のみ、来週には上映終了となっていました。

わが町の映画館は、運営会社は一緒ですが3ヶ所に分かれていて、主に超メジャー映画(パイレーツ・オブ・カリビアンとか)をするところ、メジャーな映画(ゲド戦記とか)をするところ、マイナー映画をするところ、の3館があります。
「かもめ食堂」は当然3つ目…ここ、私が幼少の頃は確か成人映画専門の劇場でした。
今は「マイナーだけどいい映画を扱う映画マニア向けの映画館」になってますが、場所は変わらず、周囲がいわゆる“夜の繁華街”に近いので、チャリで5分程度の近さとはいえ、来週夜の上映に一人で行くのは少々怖い
どうしようかなぁ…と何気なくブログ検索してみると、「良かった!」の声多数。

「パイレーツオブカリビアン」は来週もまだまだ続くからいつでも見れるし、たまたま上映終了間近で目に留まったのも縁かな、と「かもめ食堂」に鞍替えしました



さて、感想は …良かった

フィンランドのヘルシンキの街角に、小さな日本食堂を開いたサチエ(小林聡美)。
道行く人がふらりと入ってきて、思い思いに自由な楽しい時間を過ごしてくれればいい、そう思って、メニューもおにぎりをメインに、シンプルで美味しいものばかり。 
でも1ヶ月経ってもお客様はゼロ。
それでも毎日まじめにやっていれば、いつかお客さんは来てくれる、と淡々と過ごす毎日。
そこへ、記念すべき第1号のお客さん、日本かぶれの青年トンミがやってきます。
「ガッチャマンの歌詞を教えてほしい」と頼まれますが、出だししか思い出せません。
その日の帰り道、書店のカフェで「ムーミン谷の夏祭り」を真剣な顔で読んでいる日本人女性ミドリ(片桐はいり)を見つけ、思い切ってガッチャマンの歌詞を聞いてみます。
唐突な質問に、怪訝に思いながらも完璧な歌詞を教えてくれたミドリ。
フィンランドへ来た事情、特に帰る日も決めていないということを聞き、お礼としてうちへ泊まるようにすすめます。
やがてミドリは食堂を手伝うように。
そんなある日、また訳ありげな女性マサコ(もたいまさこ)がふらりと現れます。
ヘルシンキの空港へ荷物が到着しない、というマサコも、そのうち食堂を手伝うように。
他にも訳ありのフィンランド人男性や女性がお話に絡んできます。
そうこうするうち、食堂にも徐々に人が入るように…

特に大きな事件は起きないけれど、凛として芯の通ったサチエを演じる小林さんがかっこいい。とても綺麗に見えました。
それに、普通じゃなさそうなのにいたって普通っぽい女性ミドリを演じた片桐さん、妙な存在感と味がある女性マサコを演じたもたいさん、3人ともとても素敵です。
この女優さんたちだからこそ醸し出せる、スコーンと抜けたようなおおらかさ。

フィンランドの人達もいい味出してます。
突然現れ、美味しいコーヒーの入れ方を伝授して去っていったおじさん。なんか無頼ないい雰囲気の人だなぁ、と思っていたら…
毎日現れては、表からガラス越しに睨み付けるような目線で中を凝視して去っていくおばさん。このおばさんと、もたいさんの絡みが面白い。

そして、時々画面に登場し、最後にナゾの絡み方をして印象的な効果を出していた猫
この猫ちゃん、エンドクレジットで「SPECIAL THANKS ビー」と出ていたので、もしかして原作者の群ようこさんのエッセイに出てきたビーのこと?と思って帰ってきてネットで調べてみたら、ビーちゃんはエッセイでは群さんの友人の猫なんですけど、つまりもたいさんの愛猫だったらしいです。
でも、高齢で最近亡くなったらしいので、本物がフィンランドまで撮影に行ったのかどうかまではわかりませんでした。

映画はところどころに笑いがちりばめられています。
トンミの着ているTシャツの柄、初対面でガッチャマンの歌につい盛り上がるサチエとミドリ、トンミに「漢字で僕の名前を書いてくれ」と言われてミドリが書いてあげた名前、マサコが初めてかもめ食堂に現れる瞬間、マサコが着替えがないので町で買ってきた服、何気ない瞬間のもたいさんの表情。(もたいさんがらみが多いですねホントもたいさんがいいんです。)
ついついニヤリ、思わず噴き出す。
平日の昼間なのに、小さな映画館とはいえ半分以上の席が埋まっていて、館内は度々クスクス笑いで妙に和やかに…。
ほとんどが20~40代くらいまでの女性でした。

最後に、ほとんどのブログで「買いました」と写真が載っていたパンフレットを私も購入。

 旅行かばんの形です。

中には、映画の写真(オシャレ)の他、ミドリが手書きで作っていたかもめ食堂のメニューや、人気メニュー2品のレシピなど…これで600円なら、なかなかいいでしょう?ビーちゃんのアップも載ってました

美味しそうなごはんがいっぱい出てくるので空腹で行っちゃダメ、という感想も見ていたのですが、時間がなくて空腹で行ってしまったため、おじさんがおにぎりにお腹を鳴らす場面で、私も鳴りそうになってしまいました

とにかく何だかリラックスできる映画でした。
心がほぐれる感じかな。

「やっぱり猫が好き」が好きだった人には特にオススメです
コメント (10)
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