カボスやスダチが届く季節になりました。
スダチは上品な香りや酸っぱさ、カボスは野性味のある酸っぱさとその好みは微妙に分かれるようです。
子どもの頃、家の庭先にあったカボスは柑橘類でありながら棘があり、子どもが遊びの中でも容易に近づけない庭木でした。
家族の誰かがものもらいになったとき、父がカボスの棘を使って手当をしていたことなどをかすかに思いだします。
「何もしないほったらかしのカボスです。もちろん無肥料、無農薬。すっかり忘れていたカボスのこと、あなたに言われるまで忘れていました。木のそばに行ってみるとたくさん実がなっていて、カボスの木を見ていたらそのけなげさに涙が出て来ました。思わず『ほったらかしにしてゴメンネ』とカボスに話しかけました。」と、そんなエピソードが添えられての今年到来物のカボスです。
不平や不満を何も言わないで、時期になると毎年たくさんの実をつける木は偉いなあと、そんなことを思っています。