「力で立つものは力で滅びる。金で立つものは金で滅びる。徳で立つものは永遠だ。」
白隠の再来と言われた玄峰老師というお坊様の言葉だそうです。
民主党の代表選で態度表明をしていない国会議員の得体の知れぬ不気味さ。勝ち馬に乗ろうとしていると見られても仕方がありませんね。
政治家のみならず身近な周辺にも、自身の思想信条を明確に打ち出さず場に臨んで無難な応答で押し通す人が多いのが残念でなりません。
そんな中、ある会合にさっそうと現れたO氏。O氏の体調を心配していた私(たち)の考えは払しょくされ、お話しを伺いながら場の雰囲気がぐんぐんと高められていくことに感動を覚えました。
オフレコでという暗黙の了解の中、本音が語られ、焦点がぶれない確かさ、敵対する立場の人をも思いやる配慮、高い地位の人にもひるまず対等に意見交換できる勁さなどなど、O氏が訥々と語る近況報告とその穏やかな顔相の中に闘志を秘めた語り口の真摯さや物事に真っ直ぐ向き合う謙虚さ、それと表裏をなすやさしさなどに触れ、私は今ここ、この場に居合わせ話しを聴くことの出来た有り難さを感謝せずにはいられませんでした。
O氏とはあるご縁から今回で2度目の対面を果たすことが出来ました。
大変な困難を乗り越えられ、ある境地に悟りを開いたと思えるO氏は私から見るとまるで哲学者のようでもあり、形は違ってもその御苦労から玄峰老師の言葉と重なるものを感じました。
これは大げさな言い草ではなく、人はその人の置かれた人生の中の困難とどう向き合い、自身の世界を切り開いて行くか、そしてどこにたどり着くかでその生を自ずと問われているのかも知れません。あくまで他者ではなく自分であり、それは利害を超え、立場を超え、どこに自身の徳ともいえるビジョンを持つかによる単純明快な世界を進んで行くだけでいいのだと、そんな思いにO氏の話しに聴き入りながら私は導かれて行きました。