Diary of Caviargirl

ホラー、ゾンビ、チェコ、虫、ヤドカリ、コマ撮り、ピンクな物事…キャビアガールの好奇心日記。

新ブログはじめました。

2006-11-26 18:24:59 | daily life
『チェコ AtoZ』発売に先立ち、母とチェコ関連情報を発信していくブログを立ち上げました。

旅のこと、本づくりのことはもちろん、最新のチェコ関連のイベントなども紹介していけるといいな、と思っています。
どのくらい更新できるかわかりませんが、よかったら覗いてみてください。
どうぞよろしくお願いします。

『チェコ AtoZ ブログ』

タンゴ・冬の終わりに

2006-11-26 17:40:09 | stage

シアターコクーンで、蜷川演出の『タンゴ・冬の終わりに』観ました。

寒く寂しく美しい舞台だった。
幕が開くと、舞台の上は、廃墟のようになったとある映画館の客席。 80人もの群集が興奮して奇声をあげながら私たち観客を一心に見つめている。群集使いは蜷川の十八番ですが、やはり圧巻。バックに流れる戸川純の『蛹化の女』がまたかなり印象的で。

場面転換はなく、最後までその古びた映画館の客席が舞台となるのですが、その背後に、寂しい日本海の冷たい風とか、海の上を飛ぶカモメ、舞い落ちる雪、枯れた町の様子が透けて見えるようで、見事な演出でした。
役を演じる自分と素の自分、狂気と正気、妄想と現実、過去と現在、他人と自分・・・さまざまな境界を行き来する作品だったので、その舞台には、日常の中にありながら非日常的空間である映画館が、他のどんな場所よりぴったりだと思った。
照明と美術も相変わらず美しくて。今回も、美術・中越司、照明・原田保、衣装・小峰リリーのゴールデントリオです。劇場の非常口でひらひらと舞うぼろきれのようなカーテンと、そこから差し込む血のような夕陽の赤が目に焼きつきます。

クライマックスは、劇場の壁が崩れ落ち、、桜吹雪(雪)が勢いよく吹き込み、孔雀の羽根が舞うというダイナミックな演出。そして、今回はこちらの客席を使った演出は抑えていたので、それだけに、最後秋山菜津子さんが境界を越えてこちら側に降りて来た時は、ゾクリとしました。

俳優陣も良かったです。
大好きな高橋洋さんが、髪をヤンキー風金髪にし、行き場のない思いを抱えた青年を、またまたパワフルに演じています。客席の椅子の使い方が上手い。本当にそこで生活しているかのように慣れた扱い方。
そして、段田安則が上手い!哀しさのにじむ滑稽さと、絶妙なコメディセンス。
自分の妻が昔の男とタンゴを踊っている場に、コンビニのビニール袋を下げて入ってくる場面では、何だか泣きそうになりました。
他にも、鞠谷友子さんをすごく贅沢な使い方をしていてビックリさせられたし、新橋耐子さんもやっぱりいい(あの声が好き)。

そうそう、客として、蜷川作品の常連である吉田鋼太郎氏が来ていたのですが、かなりのスターオーラを放っていて、かっこよかったです。