SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

RITA REYS「Marriage in Modern Jazz」

2007年03月28日 | Vocal

本作はリタ・ライスとピム・ヤコブストリオによるドラムレス編成のヴォーカルアルバムだ。
タイトルからもわかるように、この作品が発表された年(1960年)にリタ・ライスとピム・ヤコブスは結婚している。ジャケットを見ても幸せいっぱいという彼女の喜びが伝わってくる。リタ・ライスは1924年生まれだから歳は既に30代半ばを過ぎていたわけで、それも当然のことだろう。
因みにピム・ヤコブスは、リタ・ライスの死別した夫のバンドマンであったらしい。

リタ・ライスはヨーロッパにおいては大変有名なジャズヴォーカリストだが、この日本では今ひとつ知名度が低い。
私も彼女のことを知ったのは、ピム・ヤコブストリオの「カム・フライ・ウィズ・ミー」に感激して、彼のことを色々と調べる中でその存在を知ったに過ぎない。だからこのアルバムもリタ・ライスを聴きたいというより、ピム・ヤコブスのピアノを聴きたいがために手に入れたものだ。
彼のピアノは実に気持ちよく転がっている。ある意味ジャズピアノの一番美味しいところを押さえた弾き方だといえる。タイプとしてはベツレヘムの専属ピアニストであったラルフ・シャロンに近い。両人とも歌伴を得意としていた職人肌のピアニストで、決して目立ったことはしない人たちだった。
リタ・ライスやクリス・コナーが光り輝いたのも、こうした影の存在があったればこそなのだ。
ジョン・レノンではないが、いつの時代も愛がすべてということだ。