SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

ELLA FITZGERALD/LOUIS ARMSTRONG 「ELLA & LOUIS」

2007年03月13日 | Vocal

いまさら私が解説しても始まらないアルバムだ。
ジャズの神様といえる二人が競演しているだけでなく、バックにオスカー・ピーターソン・トリオを配置した誠に豪華なアルバムなのだ。内容も文句なしに楽しい。人気も沸騰したためスターウォーズのように続編も作られる始末。
しかし、こういいことばかりを書き連ねていると文句の一つもいいたくなる。
だいたい何でこんな写真をジャケットにしたのか。
確かに気の良さそうなおじさんとおばさんの仲むつまじい姿はほのぼのする。しかしこれでは私の家の近所にいるご夫婦と変わらない。これくらいの大スターが競演するっていうのに、スタジオの片隅で「はい、パチリ」はないだろう。しかもフラッシュ付きで大きな影が映り込んでしまっているじゃないか。何とも安易すぎる。
で、気がついた。
これはほんの思いつき作品なのではないかということ。
つまりたまたま思いつきでこんな企画が持ち上がり、それを二人がおもしろがって承諾した。オスカー・ピーターソンも、そんな二人が競演するならと、ノーギャラに近いかたちでテキトーにOKする。プロデューサーのノーマン・グランツも売れなくたって面白けりゃいいくらいの気持ちだった。だからジャケットなんかは考えてもいなかった....。
もちろんこれは全て私の勝手な推測で、たぶん事実とは違う筈だ。
ただ名作は、そこに関わるみんなの純粋な遊び精神から生まれることだってあるってこと。