SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

STAN GETZ 「SWEET RAIN」

2007年03月06日 | Tenor Saxophone

スタン・ゲッツだけを聴きたいならこのアルバムでなくても傑作は多い。
ただここでどうしても忘れられない男がもう一人いる。チック・コリアだ。
これは1967年の録音だから、彼(チック・コリア)を一躍有名にした「Now he sings,Now he sobs」の約1年前ということになる。彼の弾く研ぎ澄まされたかのようなピアノタッチは、この時点で既に完成していたことが容易にわかる。他の誰とも違い音の一粒一粒が光り輝いているようだ。
これにスタン・ゲッツが「よ~し!」とばかり気合いを入れた。このピーンと張りつめた雰囲気が何とも心地いい。ここからがインタープレイの始まりだ。作品の出来が悪かろうはずがない。

インタープレイを辞書で引くと「相手の音に反応し合い、それによって個々を高めあい、全体を活性化させる音楽的会話」とあった。ジャズの醍醐味はこれに尽きる。
そういえば普段の仕事上でもそういったことは往々にして起きる。要するに自分を高めてくれる仲間や友人を一人でも多く持つことが大切なのだとつくづく思うのである。