SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

PHIL WOODS 「WOODLORE」

2007年03月27日 | Alto Saxophone

1955年、フィル・ウッズ、若干24才の録音である。
アルトがもっともアルトらしい音色で軽快に響く。
この時代のウッズによるワンホーンの作品といえば「WARM WOODS」と本作になる。両方とも私の大のお気に入りではあるが、何といっても本作には「On a Slow Boat to China」が入っている分、どうしてもこちらをターンテーブルに乗せることが多い。
「On a Slow Boat to China」(邦題:中国行きのスローボート)という曲が一躍有名になったのは、ソニー・ロリンズのデビューアルバム「ソニー・ロリンズ・ウィズ・ザ・モダン・ジャズ・クァルテット」での名演があったからだ。おそらくフィル・ウッズもその演奏を聴いて「よし! オレも」と思ったに違いない。結果はソニー・ロリンズに負けない出来映えとなった。

そういえば村上春樹も「中国行きのスローボート」という短編小説を書いている。彼はジャズマニアとしても有名だが、この小説はそんな曲からのイメージを彼なりの思いでストーリー化したものだった。それくらいこのタイトルから受けるインパクトは大きい。
我々は音楽に限らず、どんな作品でもタイトルやネーミングの重要性をもっともっと認識すべきだと思う。
人の心に入り込むワンセンテンス、ワンフレーズにキレがなくてはダメだ。