SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

EBERHARD WEBER 「SILENT FEET」

2007年03月04日 | Bass

ECM、と聞くだけで何か遠い風景を連想してしまうのは私だけではないだろう。
冷たいようで暖かい、古いようで新しい、夢のようで現実的、そんな一見相反するイメージを持つのがECMだ。
どのレーベルも他社との差別化を図るためにジャケットデザインには共通性を持たせているが、ECMの場合それが顕著に行われていて、膨大な作品群を一つのブランドとしてまとめることに成功している。具体的には、ナチュラルな写真やイラスト、グレースケールの広い空間、整然とレイアウトされた小さめの文字などが挙げられ、誰が見てもECMだと一目でわかる。これが創立者マンフレット・アイヒャーの商業的手腕だ。

このECMで育った多くのアーチスト、例えばキース・ジャレット、チック・コリア、パット・メセニーなどと並び、このエバーハルト・ウェーバーも典型的なECMの音を奏でるベーシストといっていい。
彼のベースは遠くでうねるような音を響かせるのが特徴だ。1曲目の「Seriously Deep」でのベースソロでは、そんな彼らしい演奏を堪能できる。実にメロディアスだ。またこのベースに絡むチャーリー・マリアーノ(as)がすばらしい出来であることも特筆したい。
全体に完成度の高い作品になっていて、これぞECMの音といえる傑作である。