SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

THE MODERN JAZZ QUARTET 「CONCORDE」

2007年03月16日 | Group

MJQはもともとミルト・ジャクソン・カルテットだったらしい。
その後、MJQの愛称をそのままにモダン・ジャズ・カルテットと改名したようだ。つまり初期はミルト・ジャクソンがリーダーだったのだ。
ヴァイヴ(ビブラフォン)を入れたカルテットはそれだけで特殊な編成だったから、その特殊な楽器を扱う人が目立っていて当然ではある。しかもミルト・ジャクソンは見るからに堂々としていて、ジャズジャイアントに相応しい風貌をしていたからますます自然な成り行きだった。しかし人にはリーダー向きの人とそうでない人がいる。
やがてMJQのリーダーはジョン・ルイスに移行していく。あの口をもぐもぐさせて、あまり転がらないピアノを弾く人だ。
彼はミルト・ジャクソンほど強烈な印象を受けない。実際のことは知らないが、見た目は穏やかで優しそうな人に見える。
バッハにずいぶんと影響を受けたせいで、元々はブルージーなミルト・ジャクソンも次第に透明感ある演奏スタイルに変貌していく。そうなるとグループ全体がクラシックの室内楽のように映って見えるから不思議なものだ。

リーダーとはメンバーに対してビジョンを示し、グループをその方向に導く人だということを、ジョン・ルイスは身を以て私たちに教えてくれている。だからこのアルバムに入っている「朝日のようにさわやかに」は、彼らの代表曲になったのだ。
MJQのように清楚で品がなくては、この曲を演奏する資格がない。