SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

THIERRY LANG TRIO「PRIVATE GARDEN」

2007年03月12日 | Piano/keyboard

何という美しさだろう。こんなにも澄み切ったピアノの音が他にあるだろうか。
花に例えるなら大輪ではなく、風に揺れる名もない野原の一輪だ。

ティエリー・ラング、1956年スイスのローモント生まれのピアニスト。
彼はイギリスの王立音楽大学でクラシックを本格的に学んだだけあって、そのテクニックには確かな裏付けを感じる。
彼の感性は「ため」が効いた独特のメロディラインによく表れており、クラシックと同じ感覚で聴く者を自分の世界に引き込んでゆく。
私はこのアルバムを聴いて以来彼のファンになり、以後の作品も何枚か購入した。何枚か購入してようやくわかった。私はこういう無欲なピアノトリオが好きなのだ。

先日友人に誘われ、花の山に登った。見事なくらい可憐な雪割草で斜面がいっぱいだった。
もう家の中に自然を取り込む努力なんかはやめて、自分から自然の中に出かけていこうと決めた。その方がはるかにロハスな生活だ。
そうすればあちこちに私の「プライベート・ガーデン」ができるような気がしている。