SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

THEO SAUNDERS TRIO 「Three For All」

2007年03月26日 | Piano/keyboard

ジャズ批評という専門誌がある。
ここでいい評価が得られると、その作品はあっという間に店頭から姿を消す。みんながこぞって買うから廃盤状態になるわけだ。
廃盤状態になると噂が噂を呼び、何としてもほしい、聴きたいとなる。値段も当然つり上がってくる。ものによってはCDにもかかわらず一枚1万円を超えるものも出てくる。
こうした状況下の中で、いかに優れた作品を集められるかがコレクターの腕の見せ所である。たまたま運良く中古屋さんなどで見かけたら、すかさず手に入れる癖を付けないと後で後悔する羽目になるからご用心ご用心。
このテオ・サンダースのアルバムも一時期似たような状況をつくり出した作品である。
私はこのアルバムを比較的早い時期に購入したため、普通の値段で手に入れることができたのはラッキーだった。

さて内容はというと、さすがに評判だけのことはあるメリハリの利いた演奏だ。特にドラムスの音がくっきり鮮やかに再現されていて気持ちがいい。ジャケットに映っているフルーツともイメージがオーバーラップする部分がある。要に粒立ちがいいのだ。
但し演奏スタイルはいたってオーソドックス。それだけに安心して薦められる。
曲は出だしの「THE KICKER」、続く「IN A SENTIMONKAL MOOD」が印象的。疾走感が新鮮な柑橘系の音だ。