スムースな舗装路での高い動力性能というのは、
じつに抗い難い快楽があるのだけれど(あるよねぇ)、
物理的にも社会的にも法規的にも、
たいへんなリスクがともなうわけです。
かたや、「悪路の走破性」というのは、一見不要なようですが、
街中でも、工事中の穴ぼこや路上の落とし物や路肩の段差なんかがあって、
そういうものを気にせず安全に走るために、大事な性能だったりします。
踏切やファミレスの駐車場で、
いちいち下回りをコスる心配なんか、したくない。
そういう状況って、とにかく速度も低いしね。
大雨で低地の道路が冠水したり、とつぜん雪が降ったり、
ほんとうに出かけたくても出かけられないときに、
乗れないクルマじゃ、意味がない。
そして、「素の潔さ」。
軽自動車は、妙に背伸びした装備が多かったりして、
かえってビンボー臭くなったりしがちです。
じつはこの黒い鉄チンホイールは、
シルバーの純正品を、わざわざ塗装しています。
「ホイール塗ってほしいんですけど」という注文に、
当初ディーラーさんは「んー、やったことないんで」と
難色を示していましたが。
「あの、ホイールキャップ外すと、中の鉄チン黒いでしょ。あのカンジ」
と言ったら「あーなるほど、ああいうカンジですか」
と、ピンと来てもらったようです。
さらに板金屋さんがいい仕事をしてくれて、
「ピカピカじゃないし、かといってつや消しだと汚れが目立つんで」
その中間の、微妙な艶に揃えて塗ってくれました。
新車ということもありますが、着脱工賃込みで、一本一万円。
悪くないです。
「素」を追求するために、わざわざ手をかけるというのも、
ちょっぴり矛盾してますけどね。
唯一の渋ーい、カスタムポイントです。