最近、周辺の講演の中で、
自閉症支援の進め方や、個別支援計画の進め方で、
PDCA(plan-do-check-act)サイクルやPlan・Do・Seeサイクルを用いて説明されることが増えてきました。すごく重要なことですが、正直、注意が必要です。
「P」の前に「A」ですよ。
「A」=Aassessment(アセスメントです)
もちろんPDCAサイクルの、「P」の中には、アセスメント、調査が入っていることは常識です。
しかし、福祉や教育の現場では、やっぱり計画が先に立っている職場があります。
アセスメントがなく、アイデアだけが先行しています。形先行の実践です。
あえて、「P」の前に「A」=アセスメントがあることを意識することが必要です。(PDCAサイクルそのものは本当に基本だと思います。)
私があえてPDCAサイクルを講演で使いません。
私の講演では、
アセスメント→計画→実施→再構造化→繰り返す で説明してます。
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【アセスメントを実践しているかのチェックリスト】
自分の職場をチェックしてみてください。
(すべてが私の部署で、私が重要視し、実践していることです。)
□ アセスメントに関する基本のフレームワークがある。(内容編確認)
□ アセスメントに関する基本の様式があるか。それが活用されている。
(あっても、使う空気を作ってなかったら絵に描いた餅)
□ 基本的なアセスメントに関する研修が組織内で常にある。(座学、演習)
□ アセスメントの基本に関して、現場で常にフィードバックを受ける環境になっている。
□ アセスメントに基づく、個別支援計画がある。
□ スタッフが利用者の特性に関して説明できる。
□ スタッフが自分の支援に関して説明できる。
□ 上司のスーパーバイズで特性とフレームワークの確認が常にある。
□ 利用者や利用者の保護者に、支援の根拠の説明がされている。
□ 毎時、毎日、毎月、年数回のモニタリングがあり、アセスメントの確認をする仕組みがある。
自閉症支援での内容編(※)
□ 特性に関するフレームワークや様式がある
□ 本人の理解に関するフレームワークや様式がある
□ 自立支援に関するフレームワークや様式がある
□ 行動支援に関するフレームワークや様式がある
□ 再設定(再構造化)のためのフレームワークや様式がある
※これに関しては、全国の皆さんが活用できるものを提供できないかと準備しています。(出版?来年?)
管理者の皆さん
これらを活用し実施するのは現場の仕事ですが、基盤がないと実施できないと思います。基盤づくりは管理者の仕事です。
現場の皆さん
基盤がなくても、フレームワークを学ぶチャンスはあります。また自分ところのチェックを見せて改善策を求めてみてはいかがでしょうか。(そうとう勇気が必要ですが・・・)
「なんで、うちにはアセスメントが徹底されてないんですかね?」
とか。。。。。無理か?
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初めてのコメントです。
以下の3点について水野さんのお考えを伺えたらと思います。
①PDCAサイクルは、もともと産業分野で
効率化を図るために開発されたフレームワークですが
教育界では、違った意図で使われているように感じます。アセスメントが抜けた形で。
そのことについては、どのように水野さんは
考えを整理されていますか?
②水野さんがスーパーバイズされている部署では
どのようなアセスメントが使われていますか?
③TEFCASという教育のためのフレームワークは(自閉症)教育の分野で使えると思われますか?
自分自身もアセスメントから始めることが徹底できず自分の甘さを痛感しています。
ブログにあるアセスメントから始めることが書かれた出版、セミナーを楽しみにしています。
コメントありがとうございます。
質問答えますね。
1について
効率を図ることは、別に教育界だろうが、福祉だろうが、悪いことではないです。ありえない時間の使い方、お金の使い方してますから。
ただ、効率化を考えていけないことがあることは意識すべきです。昔(今もあるかも)、老人福祉で効率化を図るがあまり、ペニスに管をつけたり、お年寄りさんの人間らしい生活を無視した対策がとられた時期がありました。それはナンセンス。
効率化は利用者のためにあることが大前提です。もちろん、スタッフの効率化を図ることで、さらに支援領域が深まることにも賛成します。
個人的には、PDCAサイクルは重要視しています。企業であたりまえにやっているアセスメントやその後のPDCAサイクルをやっている支援者が少ないからです。
アセスメント資料がない、企画書がない、効果測定がない、それでもお金をもらっているサービスがいっぱい。それはありえない。メスを入れるつもりです。
2.これは、RT ブログで引用させてください。ブログ記事で紹介します。
3.TEFCAS 勉強不足です。マインドマップはとても有効な思考法として、かなり思考法としても、個別支援計画のミーティングで活用しています。
ただ、注意が必要で、マインドマップは、思考が広がりすぎて、場合によっては、なんでもあり状態になったり、支援の絞り込みが困難になるケースをしっています。たぶんちゃんと勉強しないからだと思いますが。フレームワークはシンプルが一番で、ちゃんと勉強しないといけないレベルは、一般化が少し難しい。今のところ、私の部署では、部分利用です。
新しい思考法は、興味はありますが、色々なアイデアに振り回されるのは好みません。今の私の支援の信頼性は変えなかったことです。
以上です。
参考にならず申し訳ありません。