以前、三輪社での構造化された支援での余暇活動の実践を見せた時に、「え~余暇活動まで構造化しなくてはいけないのか?」ということを言われたことがありました。(結構多い)
また、様々な地域での支援を見ていると、時々、日常の場面や長期単元では構造化された支援をされているのに、特別な活動(行事)や短期の単元では手を抜いた支援になったり、構造化されてなかったりする事例を垣間見ることがありました。
しかし私は特別な活動や短期の活動こそ私達支援者は慎重に構造化された支援をすることが大切だと考えます。
理由としては自閉症の方の長期記憶の特性(まるで写真に撮ったように記憶してしまう。つまり視覚的な経験をそのまんま記憶してしまう特性※1)を考えると、機会がすくない特別な活動こそ、その活動の意味をしっかり伝え、それによって良い経験、成功体験をすることが望ましいと考えるのです。
また余暇活動(特に外出の活動)の関して言えば、日常と違う活動でもあり、しかも様々な刺激も多く自閉症の方にとっては混乱しやすい環境になってしまいます。余暇の時間中、帰りのことが気になって何度も「何時帰るの?」と聞いてくるかたも結構多いのでは? スケジュールなどの構造化された支援を使うことで、色々なことを気にしないで余暇そのものを楽しめるのです。
三輪社の構造化された支援の説明をする最後に以下について話ています。
「余暇活動こそ、自閉症に必要な支援(構造化された支援を含む)」
「余暇活動も、日ごろ慣れ親しんだシステム(スケジュールなど)で支援」
構造化された支援により、見通しをもって楽しい余暇をすごす経験が、良い長期記憶となって、次の余暇活動につながると思うのです。
※1【自閉症の方の長期記憶の特性】 大妻女子大学の内山登紀夫先生の講演の中で「長期記憶に一度インプットされたことは忘れなという特性は彼らがもつ長所の1つなのです。」というお話がありました。長所を活かすという発想を私達はするのですが、この記憶の特性を活かす支援を考えてみると、間違いから悟らせる支援ではなく、適切な活動・内容の経験(成功体験)を導く支援が必要です。これは間違い(NO)を教えるのではなく、OK(YES)を教える視点に通じます。
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