母の告別式の日は、ミャンマー語のレッスンと重なっていましたが、たまたま先生の都合でお休みだったのは幸いでした。
翌週のレッスンの二日ほど前、先生からメールが届きました。
「この日は息子の二十歳の誕生日です。レッスンの後、パーティーをしたいのでいらしてください」
まだ、葬儀の直後でばたばたしているところでしたが、このミャンマー人の親子に日本在住の親しい友だちが少ないことを知っていましたので、快く応じました。
本当は、同い年の末娘を連れてきてほしかったのだと思います。娘は今春、一浪の末に東大に入学し、ミャンマー語の先生と同じキャンパスに通っています。しかし、早速入った部活の試合の日に当たっていたため、娘の代わりに妻を連れていくことにしました。
これまでのレッスンの中で、ミャンマーでは誕生日のとき、本人がごちそうするという話を聞いていました。この習慣は韓国と共通です。それで、何か誕生日プレゼントをしようということになり、妻と相談しました。
「ポロシャツなんてどう」
「いいね」
「何色がいいかしら」
「たしか、ミャンマーは誕生日の曜日で、よく着る服の色が決まっているんじゃなかったかな」
タイも同じですが、ミャンマー人は自分が生まれた日の曜日を必ず覚えていて、何曜日に生まれたかによって、名前の頭文字(子音)が決まっています。タイでは王様支持派は黄色のシャツを着ますが、これは王様が月曜日生まれだったから。月曜日の色は黄色なのです。
「ちょっと調べてみよう。先生の息子さんの誕生日は1994年の4月○日だから…」
ネットで調べてみると、その日は火曜日でシンボルカラーはピンクでした。
私がレッスンをしている間に、妻にデパートで買ってきてもらいました。
ムスリムの母子が連れて行ってくれたのは、東大赤門前のインド料理屋さん。ここなら豚肉で出てくる心配はありません。
負担にならないように、1000円のランチを食べ終わったあと、プレゼントを出しました。
「ムェネ、ミンガラーバー(誕生日おめでとう)」
「えっ、プレゼントですか。うれしい」
親子ともに予想をしていなかったらしく、大喜びでした。
「ピンクだ。息子の大好きな色です」
「息子さん、火曜日生まれでしょう」
「そうです。どうしてわかりましたか」
「ネットで調べました。それでピンクにしたんです」
「???」
なんと、曜日と色を関連づけるのは、タイの風習で、ミャンマーにはそのような習慣がないんだそうです。でも、息子さんの好きな色でよかったです。
最新の画像[もっと見る]
-
キム・ヘソン、who? 2日前
-
三河島のディープコリア 3日前
-
三河島のディープコリア 3日前
-
三河島のディープコリア 3日前
-
三河島のディープコリア 3日前
-
三河島のディープコリア 3日前
-
李在明大統領候補、大法院で逆転有罪 6日前
-
タクトリタンは日帝残滓 1週間前
-
日なたの道で 1週間前
-
樋口一葉「にごりえ」② 2週間前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます