犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

五十歳酒の威力~現場検証編

2006-12-24 00:08:16 | 飲む

 先日,私と友人が行ったことがカード明細で確かめられている武橋洞のバーに,現場検証を兼ねて行ってみました。

 このバーは「ベニ(バニーガールのバニー)」といって,五十がらみのママと四十ぐらいのアルバイトのアジュンマがやっている。別に取り柄はないですが,バーにしては安いほうなので,たまに行きます。
 ここのママ(以前は別の店の従業員だった)と最初に知り合ったのは,1998年。顔なじみです。流しのクラリネット吹きがやってきて,日本人を見つけると、聞きたくもないのに「長崎は今日も雨だった」を演奏し,一万ウォンのチップをふんだくられるので,あまり行きたくないんですが。

 この日もお客さんはいませんでした。

「この前,ぼく来たよね?」(間の抜けた質問)

「ええ,いらっしゃったわ,二人で」

「実は,ぜんぜん覚えてなくてね。どんな様子だった」

かなり酔っぱらっていたわよ,早い時間だったのに」

「何飲んだ?」
(棚からボトルをとりだす)

「これ」

「やっぱりスコッチブルーか。あれ? あんまり飲んでないね。」

「ええ,二人で一杯ずつ飲んですぐ出て行ったわよ。」

「うん,領収書を見たら10時22分だった。10万ウォン」

「マルンアンジュ(乾きもの)も出したんだけど,ぜんぜん手をつけなかったから,ヤンジュ(洋酒)の代金だけいただいたの」

「あ,それはどうも」

「そうそう,最初はヒョンチャル(現札=現金)で払うっていって,財布からお札を出して『確認して』と言うから,数えたらちょうど10万ウォン。でも全部出しちゃうとタクシー代がないからカードにするって」
(意外に冷静だな)

「どんな話してた?」

「さあ,そちらの席で連れの人とけっこう話してたわよ。それに帰りがけ,カウンターで私とも話したし。内容は覚えてないけれど」

「ぼくも,まったく」

「帰るときによろめいて,ここに腰をぶつけたけど,大丈夫だった?」

「それも覚えていない…」

 その後,いっしょについてきてくれた会社の部下と,残っていたスコッチブルーを二杯ほど飲んで,ママとひとしきり思い出話などにふけったあと,店を後にしました。料金はとられませんでした。

 さて,この現場検証でわかったこと。

 店に行ったとき,「かなり酔っていた」が泥酔というほどではなかった。韓国の洋酒をちょっと飲んで,それなりに談笑し,帰りのタクシー代などにも神経を使いつつ,カードで支払い,よろめきながら出て行った……。

 あばれたり,ゲロ吐いたり,暴力をふるったりということがなかったのは幸いです。

 でも,これは喜んでいいのかどうか。

 むしろ,酔いつぶれて,眠り込んで,正体不明になって,その結果,記憶がないというのならわかる。わかりやすい。理に適っています。

 しかし,はたから見ると正常に見える行動をとりながら,その後まったく記憶が失われているというのは,かなり恐ろしい

 普通じゃない。

 もしかして……,

 病気なんじゃなかろうか。

 ついこないだの人間ドックの結果には,何も書いていなかったのに(って,そんな検査項目ないか)。

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2 コメント

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緑色の瓶に何か (スンドゥプ)
2006-12-24 00:42:52
そうなるものが入っているような。韓国に来て生まれて初めて前後不覚になりました。そいつを減らしてからはそういうことは起こってません。
返信する
いや (犬鍋)
2006-12-25 02:00:30
病気かもしれませんよ。

人を殺さないように注意してください。
返信する

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