犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

倭人西岡コリアオープン優勝

2022-10-08 23:05:24 | 韓国雑学
 少し前のことですが、男子テニスのコリアオープン2022で、日本の西岡良仁選手が優勝しました。

 コリアオープンというのは、2004年から韓国で開かれている女子テニスの国際大会。

 今年から、男子も開かれるようになったようです。

 その第一回の優勝者が日本の西岡良仁選手。決勝戦のもようは日本のテレビでも放送されていました。

 相手はカナダのD・シャポバロフ。

 日本選手と韓国選手が対戦するとき、韓国人はもちろん韓国選手を応援します。

 日本選手と第三国の選手が対戦するときは、日本選手の負けを願って、第三国選手を応援するのが通例です。

 今回の試合では、どちらかというとカナダ選手に対する声援より、西岡選手に対する声援のほうが大きく感じられたのが意外でした。

 おもしろかったのが、翌日の韓国の報道。

 どの新聞も、西岡の「背の低さ」を見出しにつけていました。

中央日報:170センチ「ツアー 最短身」西岡、コリアオープン優勝

朝鮮日報:「ツアー 最短身」西岡、コリアオープンシングルス優勝


聯合ニュース:コリアオープン優勝した「最短身」西岡


東亜日報: 最短身西岡の優勝


 西岡の身長は170センチで、テニス選手としては低いほう。この大会の出場者の中で最も低かったんでしょう。でも、記事の見出しに入れるほど強調すべきことなんでしょうか。

 韓国としては、記念すべき男子テニスコリアオープンの第一回大会の優勝を、日本人にさらわれたのは、あまり気持ちの良いことではない。

 でも、報道しないわけにもいかない。

 何かケチをつけるところがないかと探したところ、「最短身」が見つかった。

(これで行こう!)

 少し前に、日本人の蔑称としてチョッパリ(쪽발이/쪽바리)というのがあることを紹介しました。(リンク

 もっとどぎつい蔑称がウェノム(왜놈)です。

 ウェノムのウェは漢字で「倭」です。ノムは人をさげすむときの韓国固有語。「~野郎」というニュアンスです。

 倭は古代における日本の国名。

 つまり、ウェノムは「倭の野郎」。

 そしてという漢字は、矮小のに通じ、「小さい、背が低い」という意味があると信じられています。

 それで、ウェノムには、背の低い奴という意味が込められているのです。

 ところで、日本をバカにする言葉に、ソムナラというのがあります。

 ソム(섬)は島、ナラ(나라)は国、ソムナラは「島国」という意味です。

 実際、日本は島国です。

 しかし、韓国人が日本のことをソムナラというときは、

「韓国は大陸の国だが、日本はちっぽけな島国だ」

という優越意識が込められているのです。

 ま、韓国は大陸といえば大陸なんですけど、大陸のはずれの「半島」なんですけどね。

 今回、西岡優勝の新聞報道を見て、「最短身」という言葉に「ウェノム」の影を感じてしまいました。

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