犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

ワクチン接種率の操作

2021-09-08 23:56:35 | 韓国雑学
 韓国の文大統領が、9月6日の青瓦台内での会議で、

「接種完了率が40%を超えて急上昇している」

「最近世界で最も速い接種ペースを見せている」


などと発言したそうです。

(あれ、韓国はワクチンの購入で後れをとって、「ワクチン干ばつ」になっていたはずでは?)

 調べてみると、聯合ニュースの記事では、9月7日のワクチン接種率は1回目の接種が60.1%、接種完了率(2回接種。ヤンセンを1回接種した人を含む)は36.0%となっていて、文大統領の前日の発言よりも低い。

 あらためて発言内容を見ると、

「1次(ワクチン)接種者が3000万人を超えて18歳以上の成人の接種率が70%に近付いており、接種完了率も40%を超えて急上昇しているなど、最近世界で最も速い接種ペースを見せている。ワクチン接種でも進んでいる国になるのももうすぐだ」(中央日報9月7日付

 70%(一回)、40%(完了)というのは、全人口に対する比率ではなく、18歳以上の成人人口に対する比率だったのでした。

 ちなみに、9月7日時点の日本の接種率は、全人口比で、一回接種が60.9%、接種完了が49.0%です。

 文大統領があえて分母を変えて高い数字を発表したのは、接種完了率で日本の数字を上回っているかのように見せるためだったのではないでしょうか。

 任期満了が来年に迫り、レームダック化が進む文大統領は、自分の施策が「すべて正しかった」とアピールするのに躍起になっています。特にコロナ対策に関しては、「K-防疫」などといって自慢している間に、ワクチンの契約が遅れ、国民の不満が高まっていました。PCR検査のときにバカにしていた日本に、ワクチンで負けるのは許せない、という気持ちが強いのでしょう。

 韓国の接種率の特徴は、一回目の接種率と二回目の接種率の乖離が大きいこと。これは、二回目用に取っておかなければならなかったワクチンを、「一回目の接種率を上げるために」どんどん一回目に回してしまい、ワクチンの入荷が遅れて二回目が所定の期間後に打てなくなったためです。韓国は二回目の接種までの期間を延ばしたり、一回目と二回目で別のワクチンを打つ「交差接種」などをしてその場しのぎをしてきました。

「最近世界で最も速い接種ペースを見せている」

というのが事実とすれば、ワクチンの足りない状態(ワクチン干ばつ)が続いていたところに、まとまった量のワクチン入荷があったため、急にペースがあがったということなのでしょう。

 コロナをめぐっては、以前から発表数値の操作が行われてきました(リンク)。

 自分の失敗を隠すために、分母を変えて接種率を高く見せるなんていうのもチョジャク(造作=捏造)の一種です。

 こうした姑息な手を使わざるを得なくなるほど、最近の文政権は切羽詰まっているわけです。

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