犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

なおエ

2023-06-27 23:20:01 | 言葉
写真:ピクシブ百科事典より

 最近、スポーツ新聞(ネット版)の見出しに「なおエ」という言葉をよく見ます。

 たとえば、6月24日付スポニチ

大谷 両リーグトップ独走25号&日米通算200号、サイクル未遂3安打 トラウタニ弾も「なおエ」3連敗

 エンゼルスの大谷翔平選手は、23日のロッキーズ戦で、日米通算200号となる今季25号ホームランを含め、5打数3安打1打点。三塁打が出ればサイクル安打という活躍でした。

 ところが、エンゼルスは8回、守備のエラーから逆転満塁本塁打を浴びて、まさかの大逆転負け

「なおエ」というのは、「なおエンゼルスは敗れました」を略した言葉。

 6月27日のスポーツ報知の見出しは、

大谷翔平、適時三塁打含むマルチ 今季通算61打点で再び単独2冠…歴史的大勝から一夜なおエ軍は惜敗

 25日の試合でも、大谷選手はタイムリー三塁打を含む4打数2安打1打点で、本塁打だけでなく打点でもア・リーグ単独トップとなる活躍を見せました。「なおエ軍は、3―4で敗れました」

 見出しにある歴史的大勝というのは、同じロッキーズ相手の24日の試合。

 エンゼルスの打線が、28安打25得点(ともに球団新記録)と大爆発し、25-1という、野球の点数とは思えないスコアで勝利しました。しかし、この日の大谷は7打数1安打。他の先発選手がみなマルチヒットを打つ中、一人だけ1安打という不振でした。

 大谷7打数1安打に終わる。なおエンゼルスは25-1で大勝。

 いつもとは逆のパターンですね。

 ネット上のスラングとして「なおエ」がよく使われたのは、昨年と一昨年。

 大谷選手は二刀流で大活躍しましたが、エンゼルスは勝てないことが多かったのです。

 「なお○(チーム頭文字)」という表現は、マリナーズ時代のイチローが活躍してもチームが敗れた際に「なおマ」と言われたのが発祥だそうです。

 ヤンキースに移籍してからは、イチローがピークを過ぎていましたし、ヤンキースが強かったので、「イチローが活躍した。なおヤンキースは敗れた」というケースが少なかったのでしょう。「なおヤ」という言葉は使われませんでした。

 今季のMLB開幕戦では、WBCで活躍し、レッドソックスに移籍した吉田正尚選手がオリオールズ戦で4打数2安打1打点の活躍を見せ、メジャー初安打&初打点を記録したにもかかわらず、レッドソックスは10失点の黒星。

 このときは「なおレ」が使われたそうです。

 なお、「なお〇」は、三省堂国語辞典第8版には、採録されていません。

 大谷が活躍を続け、エンゼルスが弱いままなら、数年後の改訂第9版で「なおエ」が採録されるかもしれません。

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