気に入る都市には、素敵な町並みと、一日もあるけば
大体を見て回れる手頃さという安心感がある。
そして、素敵で安心できると感じた後を振り返ると、
お気に入りの店がある。
松本では、器を買うことが多い。
漆器のこともあるし陶器のこともある。
何か一つと思い、深い執着心もなく見ながら、
店を巡る。
中町商店街という。
蔵の並ぶとおりを、人と車がゆっくりと一方へ進む道。
古いたたずまいを、すこしずつ今風に整えていく
無理のない進み方に好感を持つ。
見上げた2階のガラス窓に、これは何かのまじないか?と
思わせるしめ飾りがある店。
それが、今回の買い物をした”陶片木”、とうへんぼく、と読む。
店内にはいると(めす)が動かなくなった。
手に乗せ、見入り魅入られる。
あ、決まりだなと思う。
すごーく気に入った顔。それでも一旦は手から降ろし、
店内の他の器もみる。
もちろん、直ぐにその最初の場所に戻り、しげしげと見やりながら
私を呼び寄せる。
ちょっと時代を映し込んだような薄緑をたたえるガラス器。
彼女はこれにプリンをのせた図を頭に描き、捕らえられてしまったようだ。
私もガラス器は大好きだし、安定感のある高台と、浮つかない色に
魅力を感じた。
OK。
これで、プリン用ガラス器2つが我が家に到来することが決定。
といいつつ、最初に乗せたのは朝食のイチゴ。
赤も映えました。