net news 佐賀県:国際交流活況 在留外国人増加率は全国トップ(毎日新聞2017/11/25)~日本人の雇用を大切にしてほしい。
外国人が少ない佐賀県で、地域住民と外国人の交流の場を増やそうという動きが広がりつつある。県内の在留外国人数は47都道府県中42位だが、増加率は全国トップ。農家や中小企業などで働きながら技術を学ぶ技能実習生が増え、住民から「互いを知る必要がある」との声が出てきた。
同県白石町は10月、日本語教室の担い手を養成する講座を初めて開いた。町内の会社員や主婦、学生ら約30人が参加し、今月21日まで計6回、外国人との交流の仕方などを学んだ。地域住民が主体となって来年1月にも教室を開設し、一緒にスポーツを楽しんだり料理をしたりして交流しながら日本語を学んでもらう。教材などの開設費約17万円は町が負担する。県内の自治体で日本語教室に予算を付けたのは初めてだ。
教室の設置を提案したのは、町内在住の筒井仁子(きみこ)さん(64)。今年3月、コンビニ弁当などを作る工場で働く技能実習生12人が住む寮が自宅近くにできたのがきっかけだ。
町内の技能実習生は2016年に99人。10年と比べ3倍強に増えた。外国人と接する機会があまりなかった人口約2万4000人の農業の町で、住民から「トラブルが起きるのでは」と不安視する声も上がり、日本語ボランティアをしていた筒井さんが「互いに知ることで誤解が解ける」と町に掛け合った。
法務省のまとめでは16年末の佐賀県の在留外国人は5203人。九州では宮崎県(5100人)の次に少ない。ただ、15年から16年の増加率は13%で、全国1位。県によると、今年9月1日現在は約5420人で、その3分の1を中国やベトナムなどからの技能実習生が占める。
そうした中、県も外国人と住民の交流支援に本腰を上げ、今年度から国際交流に詳しい県職員らを公民館に派遣して、住民に外国人との接し方を教える出前講座を始めた。技能実習生の受け入れ先企業に、外国人との共生を学んだ日本人ボランティアを派遣し、実習生と従業員のコミュニケーション力を向上させるワークショップも実施する。
県国際課は「外国人は将来増えていく。地域住民とトラブルが起きる前に、外国人を知る機会をさらに増やしたい」と話している。【池田美欧】(毎日新聞2017/11/25)