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日本を冷笑する韓国メディア、感謝する米国 (JB press 2020/02/20)

2020年02月24日 | ネット・ニュースなど

日本を冷笑する韓国メディア、感謝する米国 (JB press 2020/02/20)

ダイヤモンド・プリンセスは、454人。
日本は、66人。
合計すると520人。
韓国は、30人。
韓国メディアが冷笑するのも理解できる。


韓国にブーメラン状態になる可能性もある。
山あり、谷あり、人間には、先が読めない。

 


米本土へ向かうチャーター機の機内。陽性反応が出た人をカーテンで仕切っている 
■ 「面目丸つぶれ」と冷笑する韓国

 新型コロナウイルス禍の犠牲者となった豪華クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。寄港した横浜、そして日本。

 韓国メディアの中には中国・武漢とともに日本を「新型ウイルス震源地」と「命名」するものもある。

 朝鮮日報のイ・テドン東京特派員は横浜発で「『衛生先進国』日本の面目丸つぶれ」と日本政府の感染防止対策を冷笑している。

 いったい世界はどう見ているのか。

 米国サイトが2月18日現在、国別で載せている「新型ウイルス感染者」数は次の通りだ。ジョンズホプキンス大学システムサイエンス工学センター(CSSE)、米国立疾病管理予防センター(CDC)など関係機関のデータを総合して作成したものだ。

中国   7万2436
ダイヤモンド・プリンセス   454
シンガポール 77
日本 66
香港 66
タイ 35
韓国 30
マレーシア 22
台湾 22
ドイツ 16
ベトナム 16
オーストラリア 15
アメリカ 15

 世界の専門家たちは「ダイヤモンド・プリンセス」で乗客や乗員や検査官たちが感染したのは「日本国内」で感染したとは見ていない。

 あくまでも同船自体を感染源として扱っている。

 メディアというものはこうした基本的な認識を持たないと、世界のメディアとしては通用しない。
 「ダイヤモンド・プリンセス」は三菱重工業が建造し、2004年就航以来、15年間東アジアと東南アジアを巡航する英国「カーニバル・コーポレーション」社所有の豪華クルーズ船である。

 今回横浜に寄港した時の乗客は2666人、乗組員は1045人。乗員の大半は南アジアや東南アジア国籍の人たちだ。

 (メディアは乗客のことしか報じないが、この船で働いている船長をはじめコックや客室係の人たちの感染状況がどうなっているのだろうか)

 さらに不思議なのはこれだけの惨事が起きながら、2月17日現在、「カーニバル・コーポレーション」所有者や経営最高責任者からは一切のコメントはない。

 英国政府も沈黙したままだ。船の現場最高責任者の船長の発言もない。なぜなのか。

 イ・テドン記者のお国、韓国からの乗客は9人、乗員5人がいるそうだ。

 米国が米国人乗客を同船から「救出」したのを真似て(? )韓国政府は韓国人を「退避」させることを決めた。

 ところが乗客や乗員14人の多くが生活の基盤を日本に置いており、帰国希望者が少ないためチャーター機ではなく、韓国軍輸送機を派遣する計画だという。

 クルーズ船内の状況を取材した韓国・中央日報の記者は、乗客に電話インタビューした。

 当然、言葉も何不自由ない韓国人乗客と思いきや、Hさん(64)という日本人乗客にインタビューしている。しかも、単独インタビューなのに記者の名前はない。

 Hさんは韓国人記者に船内の状況を詳細に説明している。ただ、客室から一歩も出られない人がどうして同船が置かれた状況をこれほど事細かに知っているのか疑問が湧く。そして、こう総括している。

 「日本の縦割り行政の弊害で対応が後手に回っている。日本政府は対応方式を変えなければ東京五輪など開催できない」

 韓国人記者がなぜ韓国人にインタビューしないのか。知り合いの在米韓国人によれば、「それはあり得ないな」と苦笑した。

 「匿名であれ、何であれ、言ったことが韓国紙に出れば、『何でこんな豪華クルーズで訪日していたのか』と袋叩きに遭ってしまうよ」

 「あるいは、この記者は『日本人乗客』に実際にインタビューはしていないか、架空の人間に持論を語らせた可能性すらある」

■ 米チャーター機には14人の陽性者

 新型ウイルスは瞬く間に船内に蔓延し、2月18日現在、感染者は454人。

 このうち米国国籍の乗客は389人。うち感染している55人が日本国内の病院に入院している。

 12日間の船内での「軟禁」に耐えられなくなった乗客328人は在日米大使館に直訴した。

 その結果、2月17日、米政府が調達したチャーター機で米本土の米軍基地に到着した。

 ところが下船し、自衛隊のバス15台で羽田空港に向かい、飛行機に乗り込むまでの間に14人に陽性反応が出た。

 そのため、機内の一部はビニール製のカーテンで仕切られ、彼らは隔離されたまま十数時間のフライトとなった。

 機内がどうだったか。異様な雰囲気だ。
 数週間前にはクルーズ船で豪華な船旅を満喫していた米国人にとってはまさに地獄だっただろう。

 乗客の1人、シェリル・モレスキーさん(ニューヨーク州シラキュース在住)は離日前にNHKにこう語ったと、米メディアは報じている。

 「家に帰れるのは本当にうれしいわ。でも帰国しても検疫のためにまた何日も隔離されるのはたまらない」

 「おそらく基地での生活も快適にではないだろうし、船内とあまり変わらないでしょうね」

 また別の乗客、マシュー・スミスさんはチャーター機内でマスクを外した乗客が他の乗客と話しているのを見て、「そんなことをしたら感染する」と心配していた、という。

■ 「感染している乗員は報告しない」

 カリフォルニア州サンタ・クラリタス在住のファラ・トウトウンチアンさん(61)の夫、モハメッドさん(71)は横浜に寄港と同時に病院に搬送された。高熱が出たためだ。

 船の係員に連絡しても埒が明かない。

 「ダイヤモンド・プリンセスの関係者には4回も電話しました。夫が高熱でうなっているし、ひょっとして新型ウイルスに感染したのではないか、と心配だった。私も感染したんじゃないか、と」

 「キッチンで料理している人の中に感染者がいるんじゃないのかと、何度も聞きました。もし感染したら、本国に強制送還される。だから感染したことを黙っている」

 「彼らは貧しい人たちです。感染したら直ちに放り出されてしまうんです」

 「船室にいる間、豪華な料理がドアの外に運ばれてきましたけど、もし作っている人が感染していたら・・・」

 「私はそんな料理を食べるより、1個1ドルのカップヌードルの方がよほどよかったわ」

 高熱の夫を何とかしなければと、ファラさんは米大使館にメールした。大使館が直ちに動いて日本の病院に入院した。

 「私は大使館と日本の関係者にいくら感謝してもし切れません」

 米大使館は2月17日に出したステートメントでこう記している。

 「2月17日午前7時5分(日本時間)、ダイヤモンド・プリンセスの(米国人)乗客を乗せた2機のチャーター機が米国に向けて離日した」

 「在京米大使館は引き続き、日本に残っている米国籍の人たちに可能な限りの領事サービスをする」

 「米国務省にとって、海外にいる米国人の福祉と安全よりも優先度の高いものはない」

 「今回、我々に対し言葉に表しがたいほどの援助と協力の手を差し伸べ、米国市民たちの福祉を守るというコミットメントを実践してくれた日本政府に感謝したい」

 「と同時に米国市民が船から空港まで移動するのを助け、真の意味の同盟の精神に貢献してくれた自衛隊に心からお礼を申し上げたい」

 

 米専門医チームを拒む習近平主席

 米メディアが日本政府の対応について前述の韓国メディアのように頭ごなしに批判している報道はまだ見ていない。

 確かにタイム誌やニューヨーク・タイムズは米専門家の話として日本政府の「消極的な情報発信」や「検疫作業方法」を報じてはいる。

 だが、実際にはこれだけ大規模な乗客・乗員が1か所に密集しているスペースでどのような感染防止をすべきか、それは誰にも分からないという現状についてはきちんと触れている。

 むしろ、米メディアが取り上げているのは、ドナルド・トランプ大統領が中国の習近平国家主席に米国の専門医の派遣を申し出たのに対し、いまだに受け入れようとしない点だ。


 新型ウイルスがどこでどう発生したのか、米国はもちろん世界が知りたがっている。それが分からないと治療方法も完全な予防体制も組めない。

 米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアントニー・ファシイ所長は米メディアとのインタビューにその点を突かれてこう答えている。

 「我々としては一刻も早く専門医を派遣したいと思っている。しかし、我々のレベルではことが動かない」

 「それは政治レベルの問題か」と再三聞かれても「我々より上のレベルのことだ」という答えを繰り返している。

 全人民総動員体制で新型ウイルス感染防止に取り組む習近平国家主席の中国にとってはまさに国家の危機。

 他国の手助けなどいらぬ、という面子なのか。

 「検疫プロセスには問題あり」

 ファシイ所長はダイヤモンド・プリンセスへの日本政府の対応についても2月17日、オブラートに包むような表現で「(日本政府の)検疫プロセスに誤りがあった」との認識を示している。

 「米国人乗客を船から米本土に移送するという計画は当初は妥当だった。ところがその過程でその中から感染者が出てしまった」

 「ただ船内での検疫作業が続けられる中でなお感染者が出ている。結果的には(日本政府の)検疫作業は感染予防には効果的でなかったことが分かった」

 「オブラートに包んで外交儀礼的に表現すれば、検疫作業は失敗したということだ。どこか間違っている。どこが間違っているかは私には分からない」

 

 米専門家の中には今回の新型ウイルス禍阻止は世界保健機関(WHO)の初動に問題があったとの指摘が少なくない。

 その背後には同機関の上層部に対し中国からの圧力があったと指摘する向きもある。

 だが、一度起こり、ここまで蔓延しているのだから、ここは批判ばかりしていないで世界の専門家が知恵を絞って対策を練り、ワンチームで取り組む以外にない。

 折しも韓国映画「パラサイト」がアジアでは初のアカデミー賞優秀作品賞の栄冠に輝いた。

 その余勢をかって、イ・テドン記者のお国の方に新型ウイルスを撲滅する特効薬でも作っていただきたいものだ。(高濱 賛)